後奏3
コンコンコン。
ドアのむこうから、姉巫女たちの声がした。
「リリア、目覚めたの?」
「お腹すいてない?」
「くじいた足は大丈夫?」
「お部屋に入ってもいいかしら?」
ノアさんがドアをあけると、心配そうな顔をした姉巫女達が
ぞろぞろと入ってきた。
ノアさんは気をきかせて何か食べ物を持ってくると言い残して
部屋を出て行った。
「心配をおかけしてごめんなさい、お姉様方」
「リリアったら、男の方に免疫がないのですから
無理もないのだけれど」
「まあ、私もあのように素敵な殿方に熱く見つめられたら
イチコロですわ♡」
「ミレナったらはしたなくてよ」
「でもわかるわあ~その気持ち」
「そうでしょう、そうでしょう!」
「うふふふふ」
勝手に盛り上がる姉巫女達に水を指したのはリリア自身だった。
「違うんです!私ではないんです!!」
「「「「っえ、どういうこと?」」」」
少し言いにくそうな顔で、リリアは告げた。
「私ではないんです。
たぶん、ルルカさんと勘違いされているのだと思います」
そうしてようやく大切なことを思い出したのである。
代役をつとめてくれた大恩人のことをスコーンと忘れていたことを。




