間奏30
その鳴き声は、広場にめんした大通りから
少し脇にそれた路上から聞こえた。
兄上と二人で駆けつけると、幼い兄妹のすがたがみえた。
屋台の前で兄が妹をかばうようにたち、妹は大声で泣きじゃくっている。
そして、その屋台の主らしき男が二人に向かって大声でまくし立てている。
「さあ、さっさと金を払え。
子どもだって容赦しねえぞ、こらあ!」
野次馬がしゅういをとりまき、ちょっとした騒ぎになっている。
「兄上、ここは先輩たちを呼んできましょう」
「まあ、待て、ハール。私に任せろ」
そう言うと兄上はスタスタとその騒動のわのなかに入ってゆき、
当事者たちと何やら話込んでいた。
そのうち、屋台の主は満面の笑顔で兄上と握手を交わし
幼い兄弟もどうやら落ち着いてきたようだった。
ーなんか、オーラが半端ねえ~!!
兄上の調停力の高さを初めて見せつけられた気がした。
これが王としての素質。
上に立つものに必須の能力。
しゃがんで兄妹に笑顔で応じている兄上に見ほれていたとき、
視界の隅で光ものを捉えた。
兄上の後ろの雑踏の中に、短剣を構えた目つきの悪い男の姿を捉えた。
それは間違いなく本人をねらっている。
そう認識したとたん、俺は剣を抜きほぼ反射的に駈けだしていたのだった。




