間奏27
それから始まった騎士団生活は、思ったほどつらいものではなかった。
兄上は、城で世継ぎとしての教育を受けておられたので、
剣の腕もかなり上手だった。
ただ、暗殺未遂の体験から、同年代の若者たちと触れ合うことが少なく
集団生活がとても新鮮だったらしい。
かくいう俺も、似たような環境下だったが、幼少期を下町で育ったから
兄上ほど人なれしていないわけではなっかたけれど。
ただ、食事はみなとは別に、部屋で取ることが多かった。
そして、食事中は、とにかくよくお話になった。
「どうしてハールは、トレッドと一緒にいるのか?
私といる方がもっと楽しいだろう!」
「どうしてハールはライフェルとばかり組んで稽古するのか?
私の方が上手に教えるぞ!」
「どうしてハールは、キーアンばかり褒めるのか?
私はもっと褒めているだろう?」
「どうしてハールは、ブライスになつくのか?
私の方がずっと優しくしてあげるぞ!」
・・・・・・・・・
団の皆とは普通に接しているのだが、なぜか兄上にはそうみえないらしく
一つ一つ問いただされてしまうのだ。
俺は、そっとロイに尋ねた。もちろん兄上がいないところで。
「ロイ、俺は、どう接すればいいのだろう?」
「簡単ですよ」
そう言ってにっこり微笑むと、こういった。
「あ♡に♡う♡え♡、と、お呼びするのです」
無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理。
しかし、毎日この会話が続いて根負けした俺は、
食事の時の二人きりの時だけ、という条件で
そう呼ぶことになったのだった・・・




