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間奏24
ロイの口から語られた真実はこうだ。
兄上の母上は帰国後待っていた恋人と再婚した。
それが条件で嫁入りしたから。
二人は周りから見れば幸せそうに見えたそうだ。
ただそれも、だんだん月日がたつうちに変化していった。
二人の間に子どもを授からなかったから。
「むしろ、お母上様の方が望まれなかったのだそうです」
そのことに相手がだんだん怒りを感じるようになり、
それはやがて兄上にぶつけられるようになっていった。
「母上は、私の誕生日にはいつも内々に贈り物を下さった。
それは、本であったり、季節の花であったり、珍しいお菓子であったり。
お顔は肖像画でしかお目にかかったことがなかったけれど、
私は母上のことが大好きだったのだ」
毒に倒れたあの時も、贈られてきたお菓子を食べて倒れたのだそうだ。
ロイがつらそうな兄上の顔を一瞥し、さらに重い真実を告げる。
「母上様の思い人が、贈られてきたお菓子をどこかで毒入りのものとすり替えた
のです」




