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間奏22
なんだかんだ言いながら、ようやく支度ができた。
朝食になんとか間に合いそうだと思っていたところを
部屋のドアをノックされた。
そうして、聞こえてきた声は、懐かしいものだった。
「殿下、ハルフォード様、朝食をお持ちいたしました」
「ああ、入ってくれ」
見覚えのある顔をした青年は、まだ湯気の立ち上る二人分の朝食が置かれた台車を押して部屋に入ってきた。
「ロイ・・・」
俺の口から思わず漏れたつぶやきに、名前を呼ばれた青年は微笑みながら答えた。
「ご無沙汰しております、ハルフォード様。
立派になられましたね。
さあ、冷めないうちにお召し上がり下さい」
そう言いながら、兄上の朝食の準備を慣れた手つきで準備していく。
「豊穣の恵みに感謝し、与えられし糧をいただかん!」
食事前の祈りの言葉をささげ終わると、兄上は豪快に食べ始めた。
軽いショックからまだ立ち直れずにいる俺は、朝食に手をつけられずにいたのだった。




