間奏21
「どうしてあなたがここにいらっしゃるのですか?」
「なぜってきまっているではないか、弟よ♡
お前としっくりぽっくり 兄弟愛を深めるためだろう?」
「私は、もう、あなたの弟ではありませんし、
王位継承権も城を出る時に返上したはずですよ」
そう、俺は、とっくの昔にもう王藉から外れているのだ。
この国では、王族と領主だけが姓をもつ。
兄上の暗殺未遂事件後、身の潔白は証明できたものの
幼い俺を傀儡として利用されかねない状況に
自ら終止符を打つべくあえて継承権を返上したのだ。
それからはラストール侯の“監視下”に置かれた。
実情はかくも厳しいもの。
何かあればおじい様は俺を容赦なく切って捨てる覚悟はお持ちで
俺を引き取り育ててくださったのだ。
騎士団入団の準備中、おばあ様が涙ながらに語ってくれた。
ーあなたを失わずに済んでよかった
と。
「ハルフォード、あの時は助けてくれてありがとう。
やっと、お礼が言えた」
とても満足そうな顔で照れ笑いをする兄上をみていると、
つい情が動きそうになる。
「あ、グレディアス様・・・」
「さあ、私に熱い包容のお返しをおくれ!」
両手を広げて嬉々とした顔をする世継ぎの君との
濃くて暑苦しい日々の始まりであった・・・・・・・・・




