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間奏20
俺は、ほとんどおじい様の館で過ごすことが多かった少年期を経て、
もっと人と接する機会を持った方がいいというおばあ様の意見から
館の騎士団の宿舎に寝泊まりする事となった。
もちろん素性は隠しておくことにした。
おじい様は堂々と名乗ればいいとおっしゃったが
それは断固として固辞した。
もちろん、自分の腕に自信がなかった訳ではない。
ただ、えこひいきされたくないという意地があったから。
そうして、
ハルフォードではなく、アルという仮の名で入団式に望んだ。
同期は8名。
年齢は様々で俺は、一番若かった。
そうして、新入団生は、先輩と同室となって寮で過ごすのだ。
「今から、ペアとなる先輩騎士を紹介する!」
団長から一人一人紹介がなされていく。
平気な顔をして前をじっと見つめたまま我が名が呼ばれるのを待っていた。
「アル」
「はい」
「今日からペアを組むグレディアス様だ」
「はい?」
「久しぶりだな、弟よ!
やっとお前と一緒に(同じ部屋で)寝ることができるな」
みんなが俺をものすごーく複雑な目で見つめていた。
結局バレバレで俺の努力は無駄に終わったのだった・・・・・




