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間奏17
「えいっ、やーっ、とおおおー!!」
「まだまだ、わきが甘い!」
カキーン。
キイーン。
今日も領主館の前の広場で、剣の稽古が行われている。
「もうそろそろおしまいにいたしましょう。
お茶がさめてしまいますわ」
優しく声をかけてきたのは、赤の領主婦人だ。
「カーサ、そなたはこやつに甘すぎるぞ。
それでは、へたれが治らぬではないか」
「何をおっしゃいます、あなた。
あなたの体力の方が以上ですのよ。
ハールはよく努力していますもの。
勉学の先生もたいそう褒めてらっしゃいましたもの。
出来のよい孫が増えて嬉しいのはあなたも同じでしょう?」
うふふ、と笑いながら優しく微笑むのは、俺の祖母に当たる人である。
そう、俺は、今、おじいさまことラストール侯預かりの身となったのである。




