間奏15
通されたのは、国王の執務室に隣接する休憩のための小部屋だった。
い入室すると、テーブルの上には所狭しと朝食だのお菓子だのが
これでもかと準備されていた。
椅子に腰掛けるように進められ、取り敢えず向かいの椅子に座る。
国王様は何もいわずにじっと俺のことを見つめるまま。
俺も何をいっていいのか分からず、だんまりを通していた。
ギュウウウキルキルキル。
突然お腹がなった。
空気の読めない俺の胃袋。
だけどそれで緊張が取れた。
あの時も同じ状況だったから。
その時のことを思い出し、つい顔がゆるんでしまった。
そして、ポツリポツリと俺は語り出した。
「あなたが怖くて逃げ出した時、お、僕を救ってくれた少女が
くれた解毒薬があります。
これをあに、殿下にお試し下さい」
そういって握りしめた手のひらを差し出す。
「月光樹の実をすりつぶした粉末だそうです」
椅子ががたんとおとをたてて倒れた。
「月光樹だと?!まさか、風の一族のおばば殿からか!!」
国王様は驚いた顔で立ち上がったまま叫んだ。
「これできっと助かるぞ」
そう言ってすぐ手配を始めた。
俺は、ぽつんと取り残され、ロイから話しかけられるまで呆然としていたのだった。
彼女から解毒剤をもらった日の夜、おばば様がそっと教えてくれた。
「おまえさんがもらったのは、
あたししか調合できない秘薬中の秘薬、月光樹の粉末さ!
いいかい、決して人に見せるんじゃないよ!
見せていいのは、王族ぐらいのもんさ。
それ一つで国の予算一年分が消えるくらいの値打ちもんだからね」
といってにやあ~とわらった顔は、しばらく夢に出てきてうなされる
ぐらいすごかったのだから・・・




