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間奏14
大きな扉の前で、俺は、、呼ばれる瞬間を待っていた。
握りしめた手の中には、彼女からもらった大切な薬がー
それは、まだ、出会って間もない頃のこと。
「ねね、おにいたん。
これ、あげる」
「なに?これ?」
「おばば様にもらったひみちゅのお薬」
「?」
「どんなどくにもきくおくすりだって」
きけば、彼女はとにかく食い意地がはっていて、腹が減ったら手当たり次第口に入れていたらしい。
中には命を落としかねない毒入りの木の実やキノコ、草などをたべたことがあるらしく、
なんども久遠の彼方へ行きかけたとのこと。
見かねたおばば様が持たしてくれたのが、この薬らしい。
ものすごーく貴重なものだそうで、おばば様にしか調合できないそうだ。
「げいこおじうって、いうんだって」
銀色に光る粉は、まるで月光のきらめきのように美しく輝いていた。
まるで、彼女の瞳の輝きのように・・・
ーこれなら、きっと、兄上が助かるはず
そんな直感が俺にはあった。
それが、幻の万能薬ー月光樹の実だとは、知る由もなかった俺である。




