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月下の舞姫と 堅物騎士の ラプソディ    作者: アニィアンニンドウフ
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前奏3

この国は12の領地から成り立ち、

一つ一つの領地にシンボルカラーが定められている。

今リリアが住む場所は“白の領地”と呼ばれている。

各領地はシンボルカラーにちなんだ精霊を守護とし、

はく)の領地は月の精霊を守護神と定めている。

領地内には本殿と5つの分殿が存在し、

リリアが住む分殿は最も外れに存在する小さな神殿である。

神殿には巫女が在中し、薬草の知識で領民を助けたり、

舞を舞うことで癒しを行うのをつとめとしている。

はく)の領地の守護神である月の精霊は夜の眠りを妨げる夢魔を退けるため、

月刀を振りかざし勇敢に立ち向かったと言い伝えられている。

その月刀は今でも存在し続け、癒しの力が並外れて強い巫女だけが

手にすることが出来る。

つまり、月刀自体が舞手を選ぶのである。

逆に力のない舞手が月刀を手にしても、

あまりの重たさに持ち上げることさえできない始末となる。

この領地の巫女達は、15の年回りを迎えると全員

月刀を持ち上げられるかどうかの試練を行う。

かくいうリリアも15の年回りを迎えたであろうその日に

(神殿前に置き去りにされていたので、正確な誕生日が分からず

取りあえず拾われたその日を誕生日としている)

本殿でこの儀式に望んだところ、

ひょいと軽々と持ち上げ尻餅をついたという少し痛い逸話までついている。

夢魔が存在しない今、月刀の舞は年一回の月神祭で奉納されるのだが

今回は国の世継ぎの君たっての希望で実現したのである。

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