間奏3
辺りに充満する薬草の匂い。
鍋をかき回す老女。
着ている服は黒一色。
ー魔女だ!
それも、きっと、悪い魔女だ・・・
かあ様が 寝る前にお話をしてくれたけれど、
俺がいたずらしてしかられた夜は、決まって怖い魔女の出てくるお話だった。
女の子に無理やり連れてこられた所は、
魔女の家だったんだ。
グルグルウウウ。
空気が読めない俺の胃袋。
「またひっろてきたのかい?
めずらしいね、今回は人間じゃないか・・・
お前さん、腹が減ってんのかい?
これでも食うかい?」
かき回していた鍋の中身がはいった大さじをつきつけられ、
俺は、思わずふるふると頭を降っておことわりした。
しかし、魔女は、「ほれ、ほれほれほーれ」とさじを突きつけてくる。
「う、うわああああ」
大声を出しながらそこから飛び出すと、やみくもに走ってようやくテントの張ってあるとこまでたどり着き
うずくまった。
とぼとぼとついてきた女の子がたずねた。
「おにいたん、食べないの?」
「い、いらない!絶対いらない!」
「ふう~ん、じゃ、×××も食ーべない」
そう宣言して、俺に付き合って女の子もハンガーストライキを始めた。
俺の隣にちょこんと座り込んで。
でも、
彼女はずっとぶつぶつつぶやいてた。
「食べたいな、でも食べちゃダメ。
たべようよ、でも食べちゃダメ。
食べるかな、でも食べちゃダメ。
食べるのに、でも食べちゃダメ。
食べてみて、でも食べちゃダメ。
食べたのに、でも食べちゃダメ。
食べれるの、でも食べちゃダメ。
食べたいの、でも食べちゃダメ。
食べとくれ、でも食べちゃダメ。
・・・・・・・・」
「ごめんなさい。
食べます、絶対食べますから、許して下さい」
にいーっとわらうと、女の子は手を引いてまた魔女の所に戻り、
かき混ぜていた魔女の食べ物を差し出した。
覚悟を決めてパクッと一口。
「うま♡」
よくにこんである肉と野菜の煮込みは本当にうまかった。
「魔女のおばあさん、おかわり!」
っていったら、たましゃくしで頭を思いっきりはたかれたけど・・・




