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月下の舞姫と 堅物騎士の ラプソディ    作者: アニィアンニンドウフ
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前奏29

「腹へったああ~」

ひとりの乙女が腹の虫をぎゅるぎゅる鳴かせながら、とぼとぼと領主様の館とは反対方向へ向かって歩いていく。

領主様の館にはいりきれなかった領民達は、精霊の舞をみた興奮覚めやらぬ人々から少しでも話を聞き出そうと躍起になっていた。

「とにかくすごかった!!」

「まるで本当の精霊様みたいに美しかったよ!」

「たくさん祝福もらっちゃった♡」

「ありゃあ、人間じゃねえ、本物の精霊様だぜ」

「月刀って本当にあったのね!」

みたものの興奮に巻き込まれ、聞いたものも興奮につつまれる。

それは、身も心もほんわかとした不思議な感覚で、なぜかとても幸せなきもちになる。


ー祝福の拡散。それは、ライガードが知るルルカの秘密の一つ。


ルルカの舞をみた人の話を聞いたものは、なぜかほっこりした気持ちになれる。

だから、皆がルルカの舞をみてみたいと願う。


“ほっこりのおすそわけ”

ルルカ自身はそう呼んでいる。自分が舞えば、みんなが喜ぶ。

その笑顔がうれしいから、また、舞いたくなる。


過去に出会った吟遊詩人がつけた二つ名なんて、ほんとはどうでもいい。

たたお腹いっぱい食べられて、舞えれば何もいらない。


月刀がなくて、いつも身につけていた短剣で間に合わせたら

それが変化して長剣になっていたことなんて

今のルルカには、意識の中にすらなかった。


踊り終わると同時に姉巫女たちから離れ、物陰で衣装を脱ぎ捨て

(あらかじめ中に着替えを着込んでいた)

脱いだ衣装は袋に詰めて、そばにいた人に分殿まで届けてほしいと言付けてきた。


そうしてお腹をキルキル鳴らせながらふらふら歩く乙女が、先ほど感動を与えた本人とも

気づかれぬまま、こうして館の外をあるいていたが、もう限界で意識がとおのいていく・・・




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