前奏27
それぞれが巫女装束の上からフード付きのマントを着る。
「私とリリア、ルルカさんで乗りましょう。
ミスカ、例のものを」
巫女長様の言葉に、ミスカが細長い箱を持ってきてルルカにわたした。
「ありがとさん!」
「ケホン、ケホン。言葉にお気をつけなさい」
長様から注意され改めようとするも、
「ありがとさ、ありがとお、ありあ、あたたたた!
舌かんじまったよお」
ふうーっ、とおおきなため息をついて呆れ顔で話す。
「もう、結構です。これ以上話すとボロがでてしまいます。
ただ笑って頷くだけにしておきなさい」
ただ笑ってウン、ウン、ウン、ウン、と頷くルルカ。
(だめだわこりゃあ・・・・・)
そうして2代の馬車が出発するのを見送ったのはお留守番のミスカと門番のナギの二人。
「お疲れ様、ミスカ。
少しゆっくりおやすみなさい」
「ええ、少しそうさせていただきますね」
そうして、分殿に戻り、一休みするつもりがうとうとするうち本格的に寝入ってしまった。
はっと目が覚めたのは、夕刻近くで慌てて片付けをしていると、
机の上にもう一つの長方形のはこが。
悪い予感がして箱の蓋を開けると、そこにはルルカにわたしたはずの月刀のレプリカが・・・
「嘘でしょう!!」
もうすぐ月が姿を見せる時間、つまり、月の精霊の舞の奉納が始まる時間なのであった。




