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月下の舞姫と 堅物騎士の ラプソディ    作者: アニィアンニンドウフ
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フィルイン

「おばば殿、ちょっといいか?」

ライガードが元気のない様子で、アストレラおばばのとこにやってきた。

「なんだい、しけた面しやがって。

 陰気くさい長の相手はまっぴらごめんさ。

 あっちへいっちまいな!!」

相変わらずの毒舌に、しょぼあおおんと肩を落としとぼとぼ去っていく背中に

爆弾を落とす。

「ルルカはお前さんを嫌って出て行っちまったのさ」

くるっと振り返った長の顔がますます青白くなり、限界まで開かれた目から

涙がこぼれ落ちそうになる寸前、

「嘘だよ、へたれ」

プシュウウウウウウン。

長のダマシイがぬけて出て行ったのが見えるようだった。



おばば特性の薬草茶を飲みながら、ぽそっとつぶやく。

「愛が足りなかったのかな…」

ふん、と鼻であざ笑うおばばから予想もしない言葉がでた。

「もうじき、あの子らに試練が訪れるよ」

「あの子ら?」

「バカ娘とそのかたわれさ」

「!」

「あの子は今、お前さんの妹とんとこにいる」

「エルのところに!!」

立ち上がろうとしたライガードの腕を握り引き止める。

「それよりも、大事なことがある。

 不眠病が広がり始めたよ」

「バカな!!まだあれは覚醒していない!!」

いつもよりしかめっ面を深め、おばばは告げた。

「夢魔が復活する。それも、今までにないほど強力な奴が」

ライガードは言葉を失い、ただ呆然とするのみであった。

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