前奏14
自分の代役を待ちきれなくて門の近くでずっと待っていたものの、
ひねった足がだんだん痛みを増してきた。
(私の代役を無理にお願いするのですもの、きちんとお迎えしなくては!
でも、足がやっぱり痛いです・・・)
ふと立ち止まって痛みをやり過ごそうとするリリアの前に、ルルカが背を向けてしゃがみこむ。
「無理して歩いちゃあ、治りも悪くなるよ。
あたいにおぶさりな」
「えっ、でも・・・」
「だいじょぶだよ。
こう見えて鍛えてるから」
「せっかくですけれど、ゆっくり歩き」
「あ゛あ゛!!さっさとのるんだよ、まだるっこしい!!」
「ご、ごめんなさい!」
涙目になりながら、リリアはぴゅっと背中にしがみつく。
軽々と立ち上がりスタスと歩き出すルルカ。
後ろから見守っていたレキシアとミスカは、二人のやりとりを目を丸くして見守っていた。
「リリアさんとやら、人に甘えることは悪いことじゃないんだ。
その代わり、どっかで困った人に出会ったら、自分ができることでお手伝いすりゃあいい。
そうしてこの世界は回るのさ」
「はい、肝に銘じますです」
フフっと笑うと、誰かさんの受け売りだけどね、とつぶやく。
背の温もりに体を預けながら、この人が代役で良かったと
月の精霊にそっと感謝を捧げるリリアなのであった。




