前奏13
「へえええ~これが神殿かい?なんか、ちっこいお城みたいだね」
ルルカが物珍しそうにきょろきょろしていると、レキシアが解説を始めた。
「ここ白の領地には、本殿と5つの分殿があるのです。
私たちの分殿は一番小さいのですが、最も貴重なのですよ!」
「この建物が?」
「違います!ここには月刀の」
「レキシア!それは巫女長様がお話されることでしょう!
お黙りなさい!」
「…はい。ごめんなさい」
しゅうううんとうなだれるレキシアにむかって、ルルカは黙って肩をポムポムする。
そうこうしているうちに、入り口にたどりつくと、
門番の巫女に呼び止められた。
「あれ?リリア、足の怪我はもうよろしいの?」
「あたいはそんな名前じゃないよ」
すっと表情を消し、不機嫌な雰囲気をまといはじめたルルカをフォローするように
ミスカが解説する。
「ナギ、こちらはルルカさん。リリアの代役をお願いしてるの」
「っえ!別人?!でもそっくりじゃ」
「きゃあああ♡すごいですわ、すごいですわ、私がもう一人いらっしゃるなんて♡♡♡」
突然会話に割り込んできたのは、当の本人だった。
目をキラキラさせてルルカに見入るリリア。
一方押され気味ですっかり引いてしまったルルカ。
顔はにていても、まとう雰囲気は全く別物。
「ようこそ、我が分殿へ。
どうぞお入り下さい。
詳しいお話をさせていただきます」
「巫女長様…」
そうして御一行は分殿の中へと案内されていった。
(無事に成長されたのね。兄様が育てるから心配でしたけれど。
こうも早くお二人がそろうなんて…月の精霊様の試練かしら)
巫女長の心のうちを知らぬ二人は、これからとんでもない協奏曲を奏でることになる。




