116/116
フェードアウト
さっきまで賑やかだった室内は、 今はすっかり静まり返っている。
寝台には、二人の娘が寄り添うように横になって、 安らかな寝息を立てている。
ーやれやれ… 面倒なことにならなきゃいいが
気落ちした堅物騎士は、 すごすごと持ち場ヘと戻って行った。
見送った風の一族の長の話によると、
目も当てられないほど憔悴しきった背中があまりにも痛々しくて、
誰もフォローができなかったらしい。
せっかく二人っきりにしてやったものを、最後でずっこけるなんて本当にヘタレ坊主だね!
二人っきりとはいえど、 ちゃんとしろわんこを見張りに置いていったけれど。
ルルカが目覚めた後、 ハルフォードと入れ替わりにリリアがやってきて
盛んに謝っていた姿が、昔の自分たちを思い出させ、とても感慨深かった。
語り疲れて寝入っている二人の姿を見ていると、 昔のおのれが思い出され、切なさが込み上げてくる。
物語は、 まだ、 始まったばかりだ。
「さあ、あんたたちのお手並み拝見と行こうか」
そうして、予言の通り、歴史がまた動き始める。




