後奏45
取り敢えず食事をとって一息つくことになった。
食事をしながらリリアは、 疲労のせいかうつらうつら始めた。
「むすめっこ、 とりあえず一眠りしたほうがよさそうだね!」
おばばはリリアがゆっくり眠れるようにと、 別のテントへ案内していった。
残されたハルフォードは食事を平らげると、 ルルカのそばへ行き、椅子に腰掛けた。
ーやっと想いを告げることができる
想い人の寝顔を見つめながら練習をする。
「ずっと、 ずっと、 会いたかった。
大好きだよ、 我が愛しの舞姫」
そこへ 、おばばが戻ってきた。
「やれやれ、有名薬草師は休んでいる暇もないね…
急なお産が入ったから、 ちょっくら街まで行ってくるよ。
悪いが、 ルルカを目覚めさせてくれないかね。
実をすりつぶして絞り汁を飲ませれば目覚めるよ!」
そういうなり、おばばは急いで支度をすると出て行った。
残されたハルフォードは、 いそいそと言われた通り準備をし
どうやって飲まそうかと悩んだ挙句、 そばにあった木さじを使って飲ませることにした。
眠り続ける想い人の口の中に、 少しずつ絞った汁を流し込んでゆく。
わずかに喉を鳴らし、飲み込むのが分かった。
そうしてしばらく待っていると、 重く閉じられた瞼が少し震え、静かにその瞳に光を映す。
そして
目が合った。
ハルフォードは、 言葉が出ない。
ただ、見つめるだけしかできなかった。
そうして、 目覚めたばかりの想い人から、 掠れる声で紡ぎ出された一言は…
「…あんた…だれ?」




