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前奏10
風花亭ではライガードがお客人とお騒がせ娘の到着を今か今かと待っていた。
育ての親とはいえ、自分に似て言葉が非常に残念な結果に終わったことに
少々焦りを感じていた。
「ちっこい頃はおとしゃま~とかいって、俺の後ろばっかりついてきたのになあ…
いつからあんな無愛想になっちまったんだか。
そういやあ、あの堅物ガキンチョがやってきた時には、
まだあんなんじゃなかったんだが。
それはそうと、いつまでかかってるんだ?」
そうして入り口から表をのぞこうとしたとたん、大きな歓声が聞こえてきた。
「まさかばか娘、また騒動をおこしたのか!!」
歓声のした方へ目を向けると、人垣ができていた。
その隙間から、何かが動き回るのが見えた。
頭一つぶん背が高いため、人垣の向こうがよくみえた。
そこには、花籠を抱え器用に舞う舞乙女の姿が。
くるくるとまわるたび花びらがちって、幻想的な風景をかもし出している。
その顔には、極上の笑みを浮かべながら。




