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後奏36
目的地に着いたのは、日が沈んだちょうどその頃だった。
あらかじめおばばが夕餉の仕度を整えて待っていた。
「懐かしいな、おばばの煮込み汁。
やっぱり一番うまい!」
「ふぉっふぉっふぉっ。
当り前じゃ!何が入っとるかは内緒じゃがの」
それを聞いて、リリアが食べるのをぴたっと辞めた。
「安心おし、ビビリ娘。
毒など入れておらんわ!
そんなんでは、月光樹の実など一つも取れんじゃろうて」
「いい加減にしろ!リリア殿はルルカみたいに免疫はないのだから!」
見かねたハルフォードがリリアをかばうと、おばばがにやりと笑った。
「ほほう〜、もう心変わりしたのかい?ヘタレぼうず」
「違う!」「違います!」
二人同時に否定した。
「ふん、仲のいいことで···
じゃがそのくらいないと、夢魔は倒せまい」
「夢魔?何の事だそれは?」
実をとるだけだと聞いていたのに、予定外のことを聞かされ
ハルフォードが不機嫌に尋ねた。
「今夜、夢魔がお前たちを妨害しに来るらしい」
「そんな·····」
思いもよらなかった事実に
ただ驚くしかないリリアだった。




