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My dear  作者: 塩ウサギ
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拝啓、××な世界へ

お久しぶりです。本当に久々の投稿です。

ムシャクシャして書きました。

親愛なる父さん、母さん、兄ちゃんと死んじゃった婆ちゃん。と、ついでにあたしが生まれる前に死んじゃった爺ちゃん。お元気でしょうか。

あたしは元気です。皮肉にも、死ぬことを決めてから驚く程元気になりました。

どうしてこんなこと、とか何か嫌なことがあったなら言ってくれれば良かったのに、とかきっと言ってることだろうと思います。でもそんなこと言わないでください。別に誰かのせいってわけじゃないから。誰かを庇ってるとかそういう意味じゃなくて、マジで。

あたしは死にたくて死んだのです。



「人は誰もが自分の人生の主人公」という言葉は生前よく聞いたものです。確かにその通り、自分の人生の中じゃ少なくともあたしは主人公でした。でも主人公というのは必ずしもヒーローじゃありません。兄ちゃん、あんたなら漫画とかよく読んでたしわかると思うんだけど物語ってよく番外編(アンソロジー)があるじゃん。主人公は主人公でも、あたしは多分そっちの主人公だったんだよ。一般的な民衆からは煙たがられる悪役。真の主人公(ヒーロー)に倒される魔物。あたしはせいぜいそんなところです。

どうしてそう思うのかって?

そりゃあ生きててこの方面倒臭がられたことの方が多かったんだから、そう思うのも自然なことでしょ。ただ普通に生きてるだけなのに少子化の原因だとか、お前のような少数派の意見を取り入れていたら国が潰れるとか。

それで滅びる人類なら、そんなことで潰れる国なら、滅びれば良いじゃん。

ね?完全にゲームの悪役の思考でしょ?でも、これがあたしの考え。


まあ、それでも若干面倒臭がりながらもここまで育ててくれた父さんにも母さんにも兄ちゃんにも、ついでに天国の爺ちゃんと婆ちゃんにも感謝はしてるよ。嫌な顔してたけど、結局あたしの「好きなこと」は尊重してくれてたし。でも、あたしは死にたかった。正確には、あたしを悪役にする世界でこれ以上生きていたくなかった。だってそうじゃない?誰だって悪役にはなりたくないよ。男でも女でもない、ただの「あたし」を受け入れてくれる世界なんかここには無い。いるのは「あたし」みたいな人達を異形扱いして隔離しようとする人間か、そうでなければおかしな好奇の目で見て自分達の欲の為に搾取しようとする人間ばっかり。自分達に置き換えてみてよ。こんな扱いされる世界で生きたい?

ね、わかるでしょ。あたしが誰のせいでもないって言った理由。


……まあ、強いて言うなら世界のせいで死んだ、ってことになるのかな。そっか、世界の勝ちか。良かったじゃん。悪役(あたし)を倒して平和が訪れる世界。これぞまさしくハッピーエンドってやつ?ウケる。じゃあ、父さん。母さん。兄ちゃん。じゃあね。みんなはどうやらちゃんと「人間」みたいだし、とりあえず生きておきなよ。そして多分天国にいる爺ちゃん、婆ちゃん。天国で楽しくやってなよ。あたしは多分そっちには行けないから。


P.S.あたしを殺した世界へ。どっちが負けるのか、どっちも負けるのかは知らないけど、戦争がいつか終わると良いね。



では、さようなら。

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