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ハクセキレイの知恵 2

作者: フィ

「ピピピ」


「ハクセキレイちゃん尾が地面を叩いてるよ」


「今日はなんかいつもより激しく尾がフリフリしてるね」


「私人間から岩叩きって言われてるんだ」


「あーたしかに、尾で岩を叩いているようにみえるね、ただずっと見てると人間みたいにみえるね」

「ピピ」


「あのね私八百屋さんに行った事があってね、そこで八百屋さんがハクセキレイちゃんみたいにバナナの前で棒みたいなものを叩いているの見たときあるんだ」


「人間さんも私みたいに叩きたくなるのかな?」


「う~ん、私分からない!とにかく今日もエサ食べに行こう!」


「うん!」


2羽はバタバタと飛び始めた


「ハクセキレイちゃんなんか飛び方特徴あるね」


「ピピッ  ピピッ  ピピッ」


「なんか大変そう」


「そう?私いつもこんな飛び方だから何も思わなかった」


「ハクセキレイちゃん、一度バタバタって飛んでそのあとロケットみたいに翼を閉じてまた飛ぶんだね」


「うん、なんかこの飛び方に慣れちゃった、鈴子ちゃんからみてどうみえる?」


「飛び方は鳥それぞれなんだけど、ハクセキレイちゃん飛ぶ時わざわざ鳴くんだね」


「ピピッ」


「大変じゃない?」


「疲れたら休むから大丈夫だよ」


「あ、ハクセキレイちゃんエサがたくさんありそうな田んぼがあるよ、行こう!」


「ピピ」


「ハクセキレイちゃん、エサおいしいね」


「ピ」


「あんまり田んぼには深入りしないでおこう、だって蛇いるかもしれないもん、ハクセキレイちゃんはどこかな」


ハクセキレイは小さな岩の上にいた


「さすがハクセキレイちゃんあそこなら見渡しいいもんね、私も行く!」


「どうたくさん食べれた?」


「ピピ」


ハクセキレイちゃんがくちばしを岩に当てている


「ハクセキレイちゃんどうしたの?」


「くちばしのお手入れだよ」


「ハクセキレイちゃんしっかりしてるね、私くちばしを研いでいるのかとおもった」


「ピ」


ハクセキレイちゃんがくちばしをパクパクさせている


「ハクセキレイちゃん突然どうしたの、空気なんて食べてもおいしくないよ」


「鈴子ちゃん違うよ、目の前に小さな飛ぶ虫がたくさんいるからそれ食べてるんだよ」


「ハクセキレイちゃんやっぱり器用だね」


「鈴子ちゃんも、敵が来た時すぐ反応できるからすごいよ」


「ありがとう」


その時鈴子とハクセキレイちゃんの前をトンボが飛んで行った


「ピピ」


ハクセキレイちゃんが飛んだ


「ハクセキレイちゃーん」


ハクセキレイちゃんはトンボを追いかけた


「まさか、空飛んでいる虫も食べれるのかな」


鈴子は見ていた


トンボが逃げている、ハクセキレイちゃんも追いかけている


あと少しで捕まるという時トンボが急ブレーキをかけて旋回した


それに合わせてハクセキレイちゃんも急停止して捕まえようとする


しかし、トンボには逃げられてしまった


ハクセキレイちゃんはとりあえず近くにあった家に着地して何事もなかったかのように休んでいた


「ハクセキレイちゃんすごいね、空中であんな動きができるんだね」


「なんか追いかけたくなっちゃうんだ」


「きっとハクセキレイちゃんはそういうのが得意なんだね」


「ピピ」


「お腹もいっぱいになったし、ハクセキレイちゃんの言葉もっと話せる時間増やしに行こう」


「ピピ」


「うーんでもどこに行けばいいんだろう」


「そうだ、私人間がずっと喋ってるの見たことあるんだ、あの場所なら喋るヒントがあるかも、行こう!」


「うん!」


「ついたよ」


そこは山の中の畑だった、そして何か音が聞こえてきたそれは人間の喋り声である


「鈴子ちゃん人間怖いんじゃなかったの?」


「ここはね不思議な所で人間の声はするんだけど人間はほとんど見たことがないの」


「不思議だね」


「ほら見てあの四角い箱あそこから人間の声がずっとするんだよ、あの箱にヒントがあるかも」


「うーん、何だろうこれ四角い箱から銀色の棒が出てるね」


「ずっと喋ってるね」


「あれ人間が喋らなくなった」


「なんかいい音色が聞こえてくるね」


「うん」


それはバイオリンの音色だった


「なんか落ち着くね」


「うん」


「ハクセキレイちゃんちょっと何か長く話してみて」


「うん、私の名前はハクセキレイ、人間さんの畑や田んぼにいる悪い虫を食べて生活してるんだ、私の仲間にキセキレイちゃんっていう子がいるんだけど、その子は山の奥に住んでいるんだ、鳴き声はちょっと小さくて、人間が少しでも近づくとすぐわかって逃げるんだ」


「ハクセキレイちゃんすごい長く話せてるよ!」


「本当だ」


「さっきと何が変わったのか分かる?」


「あの綺麗な音聞いてから変わった気がする」


「もしかしたら、あの音色で私たち落ち着いたでしょ、つまり落ち着いたからしっかり話せたんじゃない?」


「鈴子ちゃん頭いい!」


「えへへ」


「これでハクセキレイちゃんもうほとんどしゃべれるようになったね」


「うん」


「もう私たちの旅もこれで終わりだね」


「そうだね、寂しいね」


「鈴子ちゃん最後に綺麗な夕日が見えるところあるんだけど行かない?」


「行く!」


「ここって人間がよく車を停めて景色眺めている所だね」


「うん、鈴子ちゃんみて夕日綺麗でしょ」


「うん、なんかもうお別れなんて寂しいね、でもハクセキレイちゃん話せるようになったもんね、あれハクセキレイちゃんがいない」


「ピピピ!ピピピ!」


その付近にある建物のガラスがよく反射するもので鏡みたいになっている、そこにハクセキレイちゃんが飛びかかっている


「ハクセキレイちゃんどうしたの突然そんなに飛びかかって」


「ピピピ!ピピピ!」


「ハクセキレイちゃん落ち着いて、落ち着かないと伝えたい事分からないよ」


「あんなにいつも落ち着いているハクセキレイちゃんがあんなにも攻撃的になるなんて」


「ハクセキレイちゃん落ち着いて!」

鈴子は大きく鳴いた


「ピ」


「あれ私ちょっと興奮してたみたい」


「ハクセキレイちゃんどうしたの?」


「あそこに私と同じハクセキレイがいるでしょ」


「うん」


「私縄張り意識っていうのが強くてつい、同じハクセキレイがいると追い出したくなるの」


「そうなんだ、ハクセキレイちゃんにもいろいろな面があるんだね」


「ハクセキレイちゃん私見てたけどあのハクセキレイ、ハクセキレイちゃんと同じ動きしかしてなかったよ、きっと鏡っていうものかも」


「鏡?」


「私も初めは驚いたんだけどね、でも同じ動きしかしないし攻撃もできないみたいなんだ、きっと人間が作ったものだよ」


「そうなんだ、鈴子ちゃんすごいやっぱり頭いい」


「今日はよく褒めてくれて嬉しい」


「私やっぱり鈴子ちゃんともうちょっと旅したい、またこうやって興奮して話せなくなっちゃうかも」


「私もハクセキレイちゃんみたいな器用な所もっと見習いたい」


「じゃあもう少し旅続けよう!」

「うん!」

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