10月25日
「そう、ねー。まぁ、湯人君の提案通り、そこの子を入れた不戦協定っていうのは少しだけ魅力的かもねー。私より劣るとはいえ、デッキを組んでテストプレイするときの相手が二人に増える計算になるわけだからね」
そのとおりだ、と湯人は心の中で相槌を打った。昼、湯人は彩音からテストプレイの相手になれ、と言われたが初心者の自分には荷が重い、と率直に感じていた。それを減らすために今彼が提案した不戦協定だ。戦わない、ということはつまり互いに助け合うということでもある。協定をむすぶ全員にメリットを与えなければならない。
「うん、うん。いいね。どうせ、私には勝てないだろうけど構図としては悪くないんじゃないかな?私としてもガチのバトルで湯人君の『八咫烏』とぶつかるのはちょっと遠慮したいし、予想外の手を打ってくるであろう相手が味方で私のパワーアップを手伝ってくれるんだからこれほど快感なことはないよ」
気に入った、とばかりに彩音は瞳を輝かせる。その目を見て、この場にいた二人とゲートユニット三体は少しばかり驚いた。今の彼女は打算なしに喜んでいる。
かわいいな、と柄にもなく湯人は思った。これで妲妃みたいでなければな、と添えてだが。
「それでかなえちゃんはどうなのかなー?」
「あたしとしても文句ないかな。ペナは湯人が言ったのでいいし、逆にそれ以外ペナっぽいのもないと思う。なにより、強プレの一人が味方になるっていうのはとっても心強いしね」
かなえも文句はないようで、とてもはつらつとした物言いだった。
「じゃ、決まりだな。この場で俺ら三人のプレイヤーによる不戦協定成立だ」
無論、疑念はある。
しかし、信じられる味方を得ることができる、というのはこの誰に狙われるかわからない状況においてまたとないアドバンテージだ。柊真という拠り所の一つが失われつつある今、卑屈な湯人にとって彩音以上の味方じゃ考えられなかった。
かくして三人の魔人は嗤う。勝利を祝して、安全を祝して、そして己の安寧を祝して。
今回でUnUniteの投稿を一時的に中断します。
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