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UnUnite  作者: 賀田 希道
Player/Prayer RuNs
26/39

10月21日――廃海領域②

 ・レベル3

 ・コストアイコン3

 ・――1)自分のユニットが退却した時、山札の上から二枚ドローができる。

  ――2)城化(キャスリング)(1)自分の手札(3)を捨て、次の自分のターン初めまで、手札のユニット一枚を表向きにして公開し、そのユニットの防御時のレベル+3。

 ・勇敢なる勇者 クロード 『星海騎士団』、アークヒューマン


 クロードの姿は前に湯人とのバトルの際に見せた、あの勇敢な姿へと変化する。貫禄もあり、歴戦の勇者といった風格があった。正直湯人やすずきとしては、レベル2の姿から一気にこの姿に変化したので、もう一段階何か隠されていてもいいのでは、と思わないこともなかったが、別段ゲームの根本に関係するべきことでもなかったので指摘はしなかった。


 「帳簿人 マリクスを招集」


 ・レベル2

 ・――登場時、あなたのシルバーユニットがレベル3以上ならば、山札の上から四枚を引いてもよい。

 ・帳簿人 マリクス 『星海騎士団』、ヒューマン


 招集されたのは不眠不休で働いている、と思しき汗臭いにおいのエフェクトを発生させている神官だ。手には帳簿の様なものがあり、同様のものが彼の足元の木箱にいくつも入っていた。いかにも後方支援担当ユニットです、と言わんばかりの見た目なそのユニットの効果で、柊真はクロードの能力発動に必要なコスト+αのカードを手札に加える。


 「そして、金剛石の(アダマンタイト・)騎士(ナイト) ドレイク=ジャンも招集」


 ・レベル3

 ・――あなたのシルバーユニットが攻撃された時、手札(1)を捨ててもよい。その場合このユニットをガードユニットとして使用できる。

金剛石の(アダマンタイト・)騎士(ナイト) ドレイク=ジャン 『星海騎士団』、アークヒューマン


 「どんどん防御を固めてきたな、柊真の奴」

 防御用のユニットを招集していく柊真の様子を見て、これまで静観していたすずきがポツリと呟いた。柊真の基本戦法は防御を固め、耐えれるところまで耐える我慢比べと言ってもいいゴリ押し戦略だ。

 すずきもUnUniteをやっているからわかるが、あの戦略は中々にめんどくさい。


 まず、『星海騎士団』という軍団自体が防御に適しているのもあるが、それ以上に柊真が粗野な見た目と違って慎重派であるというのが痛い。

 潰せるときに潰す、のではなく、コツコツと相手のコインを削っていく。相手が防御できなくなるまでコツコツ攻めるものだから、時には臆病者、と言われることもあるかもしれない戦略だ。


 しかし、すずきや使い手の柊真からすれば、勝ちゃいいんだよ勝ちゃ、ということなので、いくら後ろ指さされても気にすることはない。

 「まず、手札を三枚捨て、クロードの城化を発動。公開するカードはこいつ」

 そう言って柊真は手札にあったレベル3のユニットを開帳する。この時点でこのユニットのレベルは6として扱われることになった。


 「じゃ、攻撃開始。っつても攻撃できるのはクロードだけなんだけどさ」

 クロードはその剣を抜き放ち、アビグリオンの喉元めがけて一閃する。

 「ノ〜ガ〜ド〜。それと、アビグリオンのアタックされた時の能力発動。山札の上から一枚を見て、レベル3以上なら、相手の手札を捨てさせられるのだー」


 めくれたのはレベル2のユニット。がーん、と可愛らしく落胆して見せつつ、綾音はそのカードを山札の一番下に戻した。

 「ターンエンド」

 「あっそ。じゃ、私のターンだね。ドロー。そして起床!」


 どろーしたカードを見て満面の笑みを綾音は浮かべると、手札から一枚選んで、盛大にドロップゾーンへと投げ入れた。

 「進化。無軌道(ノーライン・)画策師(フェイカー) テヘラン!」


 ・レベル4

 ・コストアイコン4

 ・――1)詠唱(グロリア)(4)、手札(3)を捨ててもよい。その場合、山札の上から四枚を見て、一枚を手札に、一枚をドロップゾーンに、一枚をバトルゾーンに、一枚を手札、ドロップゾーン、バトルゾーンのどこかに置いてもよい。

  ――2)コイン(1)、セーブゾーンのコインを一枚このユニットの上に乗せてもよい。その場合、貴方の山札の上から十枚を公開して、三枚を手札、三枚をドロップゾーン、三枚をバトルゾーンに置いてもよい。残ったカードは山札の下に置く。

 ・無軌道画策師 テヘラン 『夢幻魔術学院』、アークヒューマン


 アビグリオンの体がぼうちょうしたかと思うと、白い煙を体中から吹き出した。煙は一瞬でアグビリオンの体を覆い、その中では肉が飛び散るような音が聞こえる。やがて音は止み、煙が晴れるとそこには灰色のシルクハットを被った青年の姿があった。


 手には小さな翡翠色の宝石がはめ込まれたステッキを持ち、白い手袋を付けている。服装は燕尾服。よく漫画やアニメで見る奇術師や狂言回しキャラクターの格好にそっくりだ。

 ミディアムの蒼色の髪がシルクハットの隙間から見え、後ろ髪は赤色のリボンで結んである。陰湿な笑みを浮かべ、勇猛にも剣を構えるクロードやハルバードを構えるドレイク=ジャンを小馬鹿にしているように見えた。


 「どーお?これが私のレベル4!テヘランちゃん!かっこいいでしょ?ねぇ、ねぇ!」

 「……」

 「もー、楽しまなきゃ面白くないじゃん!ま、司馬君はいつも仏頂面だけどさー。ここまで仏頂面だと逆にアンニュイ……ふっ、ま、いいか。算術(カバラ・)博士(プロフェッサー) リディー・マーレを招集!」


 ・レベル4

 ・――1)登場時、このユニットの他にあなたのバトルゾーンにレベル4のブラックユニットがいなければ、あなたのバトルゾーンのユニットの数、山札の上からカードを引いてもよい。

  ――2)詠唱(グロリア)(2)、手札(2)を捨ててもよい。その場合、山札の上から四枚を見て、一枚を手札、一枚をドロップゾーンに置いてもよい。残りのカードは山札の下に置く。

 ・算術(カバラ・)博士(プロフェッサー) リディー・マーレ 『夢幻魔術学院』、アークヒューマン


 綿毛のようなラピスラズリのような色の髪をカールさせた女性が出現した。身の丈以上の白衣を着て、白衣の下には中世フランスの田舎娘のような服を着ている。手には算術書とチョークを持ち、丸メガネを掛けている。いかにも理系なその少女はまるで退屈そうにクロードたちを見つめていた。


 「リディーの登場時能力。リディー以外にレベル4がいないので!さー、ドローしましょードローしましょー!――というわけで四枚ドロー!」

 あっという間にテヘランの能力コストを彩音は確保し、すぐさま能力を発動させた。


 「手札を四枚捨ててーテヘランの詠唱発動!一枚を手札、一枚をドロップゾーン、一枚をバトルゾーンへ。そしてもう一枚は……うーん、手札かな」

 招集されたのは一等学生 トリス、というユニットだ。とんがり帽子に丸メガネ。いかにもガリ勉魔術師です、とアピールしているタイプのユニットだ。


 ・レベル3

 ・――手札五枚につき、自分のユニットのレベル+1。

 ・一等学生 トリス 『夢幻魔術学院』、ヒューマン


 「場も整ってきたところで一斉攻撃と行こっかなー。やっちゃえ!フギン!」

 まず攻撃司令が出されたのはフギンだ。シュライクの効果により、フギンのレベルは+1されている。さらに、トリスの効果でさらにレベル+1。合計値はレベル5。ここで柊真はさっそく自分の手札の城化したばかりのカードを使わざるを得なくなった。


 「弾道を予測せしものでガード」

 当然、レベル6のユニットで攻撃をガードする。しかし、それはまだ序章にすぎない。続いて彩音は自分のシルバーユニットである、テヘランで直接攻撃を仕掛けてくる。レベルは4。受けてもいいが、なるべくコインが減ることは避けたかった。


 「ドレイク=ジャックの能力発動。手札を一枚捨て、このユニットをガードユニットとして扱う。さらに湖のイタズラ妖精 メルンものでもガード」

 ガードユニットとして出現したメルンはドレイク=ジャンと共に消えてゆく。

 「クロードの能力。自分のユニットが退却したので二枚ドロー」


 とりあえず手札を回復する。と言っても、手札が四枚の状況ではこれ以上の防御はできなかった。結局、その後繰り出されたリディーの攻撃は防げず、柊真の残りコインは彩音と同じ、二枚になってしまった。

 しかも状況はさらに悪いことに、手札が壊滅的だ。レベル4のユニットが一枚残されているので進化は滞りなくできるが、生憎とそれ以外のユニットが使い物にならない。


 次に引くカード次第で自分の首が飛ぶかどうか決まるな、と薄く笑って柊真は山札の上から一枚引いた。そしてそのカードを見て薄く。とても薄く笑った。まさに、今の自分が必要としているユニットだった。


 「起床。そして進化、目覚めし勇者 クロード!」

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