スマイル
あやは自分の部屋に行った
スマホを取り出して、電源を入れる
相正悟から返事が来ていた
「こんにちは、今日、会いませんでしたか」
彼は気が付いていたのだ
「会いましたよ」
とあやは打った
すぐに
「これからもよろしくお願いします」
と返事が返ってきた
「今日は何処へお出かけでしたか、私は図書館へ行ってました」
とあやは打った
「大和の図書館ですか」
と相正悟
「僕は海老名に行ってました、靴を買いに」
あやは少し考えた
「海老名は私も好きです、海老名のどこがいいですか」
とあやは打った
「何と書けばいいんでしょうか、五重塔があったり、立体的な店の配置や、後、広々としていて狭苦
くないのが好きです」
あやは少し驚いた
精神の障害者、いったいどういう障害なのか
「自己紹介がまだでした」
とあやは打った
すぐに
「宜しくお願いします」
と返事が来た
反応が早い
「私は杉山あやと言います、今、実家で勉強中の身です」
と打った
これ以上の長文を打とうかどうか迷ったが、この位にしておいた
自分の事ばかり並べたてるのもどうか
「僕も勉強中です」
と返事が来た
「私は26才です」
とあやは打った
打った後で、これは日本人独特のあいさつの仕方だと思った
「僕は43才です」
と返事が来た
43才、かなり年上だが、精神の障害者とはどんな感じなのだろうか
今日の朝、会った印象では、彼はとても純粋である
だがおそらく彼には心の傷があり
そこから何か、歪んだ行動をしているのではないか
そもそもフェイスブックはリアルではない
このような世界に身を置くということは
何かあるに違いない
と彼女は考えた
あやは突っ込んだ質問をしてみた
「今、彼女はいらっしゃいますか」
「いません、死別しています」
と返事が返ってきた
プロフィール覧には独身とあった
彼は新しい彼女を求めているのか
新しい彼女をフェイスブックで公募というのに
彼女は抵抗があった
あやは
「スマイル登録お願いします」
と打った
「スマイル」とは彼女の父、杉山健二が開発したアプリである
「スマイル」は世界中に広がり
今や「LINE」と同じくらいはやっていた
「スマイルですかやってみます」
と返事が来た
スマイルアプリとは
フェイスブックをもう少し会話向けにしたアプリである
フェイスブックのように写真や動画のやり取りをするのだが
フェイスブックと違うのは
会話の欄が写真等と同じ割合を占めていた
そのためスマイルアプリを使う人の中には
アプリを電話の代わりに使う者もいた
あやはスマイルアプリを開いた
相正悟にフォローされました
という通知が来ていた
彼女もフォローを返した
あやはフォローもフォロワーも少ない方だった
どちらも知人だけであり40人以下だった
相正悟のプロフィール覧を見た
フォロー1 フォロワー1とある
今始めたばかりなのだ
「ようこそスマイルへ」
とあやは打った
「宜しくお願い致します」
と相正悟




