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相正悟~杉山あや~  作者: 陶山雅司
1/7

杉山あや

 杉山あやは若く、誰よりも美しかった


 彼女はスマホでフェイスブックを開いていた


 1人の男性の投稿で、非常に気になるものがあった


 「法のために生きたい」


 というものである


 日本人男性で名前は「相正悟」


 彼女は気になり、「相正悟」のプロフィールを調べてみた


 友達は3764人、横浜市在住


 プロフィール覧には本人の顔写真が載っていた


 年齢は30代くらい、渋くて、眼鏡をかけた男である


 他に少し見てみると


 ウィスキーの写真、本人の写真等が載っていた


 自己紹介の欄には


 「精神の病気」と書かれていた


 精神の病気を持った者が、友達欲しさに


 フェイスブックをやっているのであろうか


 あやは、ぺ-ジを下にスクロールして


 「相正悟」がどんな投稿をしているのか、少し見てみることとした


 そこには可愛い猫の投稿が載っており


 たくさんの「いいね」や「超いいね」が付けられていた


 他にも「かわいいですね」や、ハ-トマ-クのスタンプなどがいくつも書かれていたが


 「相正悟」は何の返事もしていないようだった


 あやは「かわいいですね」と打ってみた


 その返事は彼女にとって意外なものだった


 「いいね有り難うございます」


 と「相正悟」は皆に向けて打ったようだ


 あやは、それまでフェイスブックは個人的なものだと思っていた


 友達同士がアルバムのように使うものだと


 最近の人たちは違うのか


 あやは「相正悟」と会話をしてみようと思った



 あやは少し考え


 「初めまして、相正悟さん、私はあやと言います」


 と打った


 反応がない


 あやには「相正悟」がどのような環境にいるのか


 想像がつかなかった


 友達が3000人以上、忙しいのかもしれない


 少しして「はい」と返事が来た


 あやは少しイラっとして


 「初めまして」と打った


 また「はい」である


 彼の病気は悪いのであろうか


 忙しいのかとも思い、少し焦った


 「お忙しいところ申し訳ありませんが、友達申請していただけないでしょうか」


 あやは打った


 「はい、有り難うございます」


 と返事が来た


 ほどなくして、「相正悟」からの友達リクエストが届いた


 彼女は承認した



 承認して少しすると


 あやの写真や、あやが友達と載っている写真に


 いくつかの「いいね」が付いた


 あやも「相正悟」のぺ-ジをめくって


 いくつかの「いいね」を付けた


 そしてあることに気が付いて驚いた


 「相正悟」は西谷駅近くに住んでいる


 あやが今いるのも西谷駅の近くである


 杉山あやは今、西谷にある実家の自分の部屋でスマホを使っていた


 今日は土曜日、時刻は夕方5時ごろである


 現在、あやの父は自分の部屋で仕事をしていて


 ライアンは3人の料理を作ってくれている最中だった


 あやは「相正悟」の投稿にどんどん「いいね」を付けたが


 それ以上はまだ怖かった


 すると


 「あや、ごはんよ」


 というライアンの声が聞こえた


 「は-い」とあやは言い


 スマホの電源を切って、部屋を出た


 


 

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