フォー〇の力
異世界へ来てしまった埼玉環、そこで出会ったパーティと話しているところである。
「ところで君....」
「え?なんですか?」
「えっと…特殊な理由があるなら別に言わなくてもいいが、えっと、その、なんで裸なんだい?」
言われて下を見ると何やら肌色の体が見える筋肉も脂肪もない細々とした体が...
「え!?なんで!?なんで俺裸なんだ!?ちょ、お前らこっち見んなちょい向こう行くか服貸してくれ!」
慌ててみんなが後ろを振り向き、埼玉環が服をどうしようか考えてるところに魔法使いっぽい女性が顔を赤らめながらゆっくりとこちらに手を差し伸べ
「今はこんな服しか持ってないですけど、よかったらこれ使ってください」
「え?あ、ありがとう!」
貰ったものは灰色のローブだった。体を隠すには十分だ。
「すみません皆さん取り乱してしまって...。そこの女性の方のおかげで何とかなりました。改めてありがとうございます。」
それを聞いたみんながこっちをゆっくりと振り向いてリーダーっぽい人が
「うーん、まぁ一旦はそれでいいか。どうする?みんな、この子置いてくか?」
皆が首を横に振り髭面のおっさんが口を開いた。
「このような子供が1人で裸で立っていたのだぞ。こんなのどう見ても孤児であろう。お金もなく、身寄りもない。見ればまだ7歳ぐらいではないか。置いていくのは無理がある。もしかしたら、この子が知らずにここへ来たというのは、無意識に死のうとしてたのか、実は親がいてここにこの子を気絶させてから捨てたのかもしれない。これはギルドに預けるべきだ。」
そう言って皆が頷く中1人だけその言葉の中に違う言葉があることに気づいた。
「ん?7歳?え?俺のこと?いや、18歳だけど。」
「何を言っておる...もしかしておぬしドワーフか?違うであろう?そんな貧弱なドワーフ聞いたことが...そうか!だから捨てられたのか!」
なんかひとりで早合点をするおっさん
「違う!俺は人間だ!親はもうとっくに死んでるわ!そんなことよりこんな背の高い7歳いてたまるか!なんかおっさん達背がでかいけど!」
「ん??俺らは背が小さい方だぞ?俺らの背の高さは1.65メートルが平均だぞ?君は1メートルぐらいに見えるが…」
リーダーっぽい人がそういい、もしかしてともう一度下を見る。
「え、あれ?おかしいなさっきは気づかなかったけど地面が近いやあれ?なんで?え?やだな、コ〇ンじゃねーんだから...はっ!そう言えばさっき毛が生えてなかったような...」
恐る恐る確認すると無い。あの生え際の恐ろしい痒さを経験して何とか生やした毛が無い。
「うーーそーーーだーーーー!!!!!」
ダースベ〇ダーが父と知ったときのル〇ク並な声を上げる埼玉環、その声がこれから自分の力に気づく引き金になるとは気付かずに...まぁ、そんなこと考える暇もないが。