《なんだここ》力
教室で金持ちの坊ちゃんにいじめられてる子を助けるために、ムカついたから殴った一見矛盾してる理由で暴力事件を起こし説教されてる時に異世界に行きたいと思ったら異世界に!そこでもおこる権威による差別、異世界に行ったら強くなった埼玉環が、ある意味での革命を起こす!
異世界に行きたい!
ある時そんなふうに強く願ったら目の前の極悪非道な奴らが消えて、目に映ったのはただの草原だった。
「なんだここ。」
立ち尽くす俺こと埼玉環。
後ろを見ると森が広がっており
《この先危険 弱きものは進入禁止》
と書いた立て札がある。
「なんだここ。」
ふたたび出てきてしまった言葉。
特に意味は無いがそんな言葉しか出てこないようなところである。
「ちょっと待てよ、状況を整理しよう」
(ここに来た理由は、とりあえず今のところは俺が異世界に行きたいと思ったからだろう。なんでそんなこと思ったんだっけ。たしか、目の前でクラスメイトがいじめられててそのいじめてたやつが金持ちだから俺はえらいお前ら下等生物とは訳が違うのだ。へりくだれとか言っててムカついたから殴ったんだたっけ。でその後そいつが親に言いつけ、親が先生にいい、校長に伝わり、呼び出されて説教されてたところか。土下座しろと言われたな。そうだそこで異世界に行きたいと思ったんだ。こんな世界やだと思ったからな。)
状況を整理するために頭を抑えてうんうん唸ってたら4人の剣とか杖とかを持った変な集団が来た。
「こんなところで何してるんだ?この森に入るのか?見たところ一般人だと思うが…頭でも打ったのか?ちょうどここに治療の魔法ができる人がいるぞやってもらうか?」
「いえ、森に入るつもりはありませんよ?今来たばっかりで状況を整理してただけなので、頭を打ったわけではありません。ご丁寧にどうもありがとうございます」
「いやいいよ。...ところで君どこの村のもんだい?」
「いえ、どこの村のもんでもないです」
「街のもんだったのか」
「街のもんでもないです」
「なんだ、焦らさずに教えてくれ、どこのもんだい?」
「さいた...」
埼玉県さいたま市と言おうと思ったがここは異世界だ、多分。だから伝わらないだろうと思い
「いえ、街のもんです」
「なんだやっぱりそうじゃないか。して、何でこんな所にいるんだ?」
「いえ自分でも分かりません。あなたがたに付いてってもいいですか?実はさっき頭をぶつけて街にいたことだけは覚えてるんですけどどこの街だったかは覚えてないんです。ここの近くだと思うんですけど」
「なんだ?だったら治療の魔法を受ければいいじゃないか」
「あの〜、流石に記憶は治療魔法では治せません。」
なんか杖を持った女の人が喋った。見た目通りの魔術師だったらしい。ていうか今頃だけど剣も魔法も普通に使われるこの世界、一体何と戦うのか。ていうかここの世界の名前を教えてほしい。
「すみません、この近くの街がどこかと、今いるここがどこかを教えて欲しいです。教えてもらえますか?」
「仕方がない教えてやろう」
さっきからずっと黙ってた1番強そうな髭面のおっさんがいきなり話しかけてきた。
「この近くの街の名前はエアカースという名前だ。そしてここはイアケシオ・コダナンと言われるところである。」