表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
71/72

ヲコト点と僕

ヲコト点は【乎古止点】と書く、らしい。お琴♪デンッ!は知っているけど、ヲコト点はよく知らない。『を』から始まる言葉への苦悩があった。この今書いているシリーズは、テーマとなるものの頭文字を五十音のアから順番に決めて、今までやって来た。でも、ヲから始まる言葉はほとんどなく、これしかなかった。


漢文を訓読するために漢字の四隅・上下・中央などに記入する符号のことらしいが、よく分からない。助詞・助動詞・活用語尾などの読み方を示したものらしいが、よく分からない。


『を』という文字は平仮名では何度も使ってきた。でも『ヲ』というカタカナなんてあまり使って来なかった。そもそも使う機会が全くない。


『ヲ』が耕す道具にしか見えない。馴染みがないから、見れば見るほど不思議なカタチに見えてくる。『ヲ』の真ん中の横線が力尽きたら、滑り落ちてきて、最終的には『ヲコト点』が『ココト点』になるんじゃないかな、なんて思う。


豚トロ好きの僕には、『ヲコト点』の『点』という漢字が、トロを直火で焼いていることを表した図にしか見えない。カタカナのトとロがあって、火みたいのが四つあるように見えるから、もうそれにしか見えない。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、まるっきりそのままのカタチの、何処から見ても『ヲ』というカタカナにしか見えないような土を耕す道具を業者に発注して、僕が通るような場所でそれを持って耕せばいい。一瞬でも僕の目に映れば、ずっとその不思議な光景のことばかり考えてしまい、かなり弱るだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ