老若男女と僕
老若男女は言いにくい。口の動きの限界に近い言葉の連なりをしているから。老若男女にバカヤローも言いにくい。老若男女にそんなことは全然思ってないし、言ったら何をされるか分からないから。ロウニャクナンニョはなぜ、口の動き的に言いにくいのだろう。
『ニャク』から『ナ』に移るところが特に釣られやすい。ニャクニャンとつい言ってしまいそうになる。『ニャ』は『ナ』と発音が似ている。だから『ニャ』は、ほぼ『ナ』だ。でも『ニャ』と『ナ』は全くの別物なのだ。似て非なるものだからこそ、二つがゴチャッと混ざり合い、言い間違えてしまうのだろう。
『ニャク』⇒『ナン』⇒『ニョ』という流れにも、言いにくい要素が含まれている。小さい『ャ』『ュ』『ョ』を含む文章は、特に発音が難しい。老若男女は、『ャ』『ュ』『ョ』が含まれている【ニャク】と【ニョ】の間に、普通の【ナン】が挟まれている。難しい『ャ』『ュ』『ョ』から普通の【ナン】を経由して再び『ャ』『ュ』『ョ』に戻るという複雑さ。だから脳が騙されるのだ。
『ロウナクナンノ』のように、小文字を含まない文字だけの構成なら、普通に読める。『リョウニャクニャンニョ』のように、言葉の区切りごとに、全て小文字が入っていても、なんとか読みにくくはなくなる。老若男女をロウニャクナンニョと読まずに、思い切って『オイワカダンジョ』にした方がいいだろう。
老若男女という漢字の下の部分を繋げると、【ヒロカ】という名前のようなカタカナになるという事実が隠れていることに気付いてから、もうそればかり気になってしまっている。
僕をさりげなく弱らせるとしたら、日常会話のあらゆる場面で、老若男女という言葉を出来るだけ多く使って練習し、日常会話程度の老若男女を約半年でマスターし、僕の前で惜しげもなく堂々と使いまくればいい。それがあまりにも綺麗な『老若男女』だった場合、羨ましさなどが溢れてきて、かなり弱るだろう。老若男女を崩した『ロウナクナンノ』を僕の前で連呼したとしても、次第に『老、無くなんの?』に聞こえ出してきて、少し弱ることだろう。




