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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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眠りと僕

色々妄想してしまって布団に入ってもなかなか眠れない時がある。起きていると常に何か考えてしまうのでしょうがない。僕は食事をしたり、車の運転をしたりしているときにまで妄想をしてしまっている人間。それで何もしないでただ横になっている布団の中が一番考えが膨らませやすい。妄想環境が整いすぎて妄想が止まらなくなってしまう。頭を空っぽにしようと努力しても妄想はやってきてしまう。


普通の布団で寝ると枕を下の方にセットしても上へ上へと枕が行こうとすることがある。それで朝起きたら枕と頭が床の上にはみ出しているなんてことは結構ある。朝起きたときに異変を感じることなんていつもだ。起きたら足と手がジンジンしてることも結構ある。立てないくらい足が痺れてることも結構ある。腕全体に布団の跡がクッキリ刻まれていることも結構ある。枕が邪魔で枕なしで寝たら上半身の後ろ側がほとんど痛かったことも結構ある。


母の書く平仮名の『む』が普通ではない。『む』と言われなければ何なのか分からないほどだ。毎回というわけではないが読めないことがたまにある。どういうふうに普通ではないかというと、就寝の『就』という漢字の右側にそっくりの『む』なのだ。もう『む』に必要不可欠な丸が存在していない。丸が潰れちゃっている。だが、それはそれで味があっていい。


暗くても目を瞑っていても寝る場所では支障なく作業できている。目を瞑っていてもアラーム解除までの行程は出来るし、鼻をかむことも出来るし、そのゴミをゴミ箱に投げることも出来る。そういえば、友達の家では床に寝たことしかないかもしれない。修学旅行で泊まったホテルでも、なんやかんやで床に寝たので、普通といえば普通なのだが。


寝すぎると眠いけど五時間程度寝ると眠くない。五時間程度寝るのが一番僕に合っているのかもしれない。なんか少し前にタルタルソースが結構大々的に頭の中に登場した記憶はあるけど、現実の頭に現れた記憶がないからたぶん寝ているときの夢だろう。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、「妄想するな!」という音声を何らかの手段を使って僕の枕元に仕込み、延々とその音声をリピートさせて流せばいい。「妄想するな!」という音声についての妄想を繰り広げてしまい眠れなくて弱る。幽霊か何かかと思ってしまい『就』という漢字の右側にそっくりな『む』をお札に書いて天井に張り付けてしまうことだろう。

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