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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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似た物と僕

似ているものは、この世の中に数多く存在する。例えば、扇子と団扇とか。あと、DVDとCDとか。それとズッキーニとキュウリとか。それでも僕はそれらを見間違えたことはなんて一度もない。似ているのだが意識しなくてもその違いにちゃんと気付くことが出来ていた。


しかし、最近は近くに置いてあった二つの似ているものを間違えてしまいそうになった。それはスマホと温度計である。厚さは温度計の方が少し厚みがあるがほぼ変わらない。縦の幅も横の幅もほぼ同じくらい。液晶画面というか文字が表示される部分の大きさもほぼ変わらない。まさにフォルムで言ったらほぼ同じものなのだ。


温度計は軽くて、スマホはある程度重いので、二倍以上の重さの差はあるが、それは置いておいて、とにかく二つはかなりそっくりで間違えてしまうほどなのだ。温度計には収納式の足が後ろ面にあって、スマホには何もないが、そういうことをぶっ飛ばしてしまえば、二つはほぼ同じと言っても過言ではない。温度計は触っても何も反応はしないけど、二つはほぼ同じと言っても過言ではないのだ。


色もスマホの濃い青に対して、温度計は少量の水色を含んでいる白と、たいして差はない。スマホを掴んだらポケットに入れるという癖が身に付いていて、二回ぐらい温度計を掴んでポケットに入れる仕草をしてしまった。ポケットに入れてしまいたくなるようなフォルムに二回くらい惑わされてしまったのだ。


ちなみに温度計は、上段に気温、下の段に湿度、それでほぼ画面を占領している。数字がでっかく画面に表示されている。そのでっかい数字も目に入らなくなるくらい形がそっくりすぎるのだ。あの縦と横の比率は手にフィットするように計算し尽くされた形なんだろう。


携帯電話とテレビリモコンとか、携帯電話とエアコンのリモコンとかを間違えるのはバカだが、スマホと温度計は間違えても仕方ないことである。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、僕が使っているスマホと色も形も重さも全く同じにした温度計を贈り物として、僕にプレゼントすればいい。いつも同じような場所に温度計とスマホを置く癖があるので、間違えて温度計を持って外に出てしまった場合は確実に弱る。ちなみに僕のスマホは普通のスマホよりも少し小さいタイプの青いスマホである。

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