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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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通販と僕

数年前までは通信販売を頻繁に利用していた。でも今はほとんど利用していない。昔は欲しいCDが売ってないから通信販売で買ったりしていた。でも今はレンタルショップのレンタル落ちのCDを買って間に合わせている。アルバムが90円で買えるときがあるので欲しいCDの時のお得感は半端ない。


通信販売で買ったものはCDやDVDくらいだと思う。食品は買ったことがないし、家電系を買おうとしたけど見て買いたい派だから躊躇ってしまうし、ほとんどがCDだ。着払いはあまり好きではないので、毎回コンビニで先払いするタイプにしていた。


コンビニの先払いは、コンビニの片隅に置いてある機械のタッチパネルを操作して出てきた紙をレジに持っていき支払いを済ませるシステムである。機械にはメールで送られてきた長い数字を正確に打ち込まなくてはいけなかった。普通は携帯画面を見ながらその数字を機械に打っていく。しかし僕はコンビニで携帯を確認しながら打ち込むのはなんかカッコ悪い気がして恥ずかしく感じていた。だから僕は手のひらにボールペンで数字を書いて、誰にも数字を見ているように思われないように、さりげなく見て打っていた。


CDを頼んだのに全然届かなくて疑問に思っていたら近所の別のお宅に配達されていたことがあった。しかも中身は開けられていて、確実に何を買ったのかバレてしまったと思う。卑猥なものだったら危なかったが、ロックバンドの最新アルバムだったので事なきを得た。


一度買うと、ものすごい宣伝してくるのはやめていただきたい。一度買っただけでカタログやらハガキやらがやたらと来る。そういうのは本当にいらない。カタログが送られてきたら時間を忘れてみてしまう。あなたにオススメの商品なんて紹介されたら詳細が知りたくなってしまう。だからお願いだから僕をそっとしておいてほしい。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、僕がコンビニで通信販売の商品の代金を先払いする日の、僕が機械に入力する番号を手に写す直前に、僕の毎日持ち歩いているボールペンをこっそり盗むかインクを抜いておけばいい。手に番号を写せなくて、結局携帯を見ながら機械を操作することになり弱る。でも僕が数年間、通信販売を利用していないことを忘れてはならない。

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