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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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質問と僕

差し支えの無い在り来たりな受け答えで凌いできた。10文字以下の受け答えでやらせてもらっていた。質問の答えなんて数秒ですぐ思い付くものではない。時間をかけてゆっくりと思いを巡らせて考えないと本当の答えなんて出てこない。だからごくごく普通の言葉を言うしかなかった。もちろん、その受け答えは嘘をついているわけではないのだが。


会う一週間前に「当日話そうとしていること」「当日しようとしている質問」などを会う人にアンケートして答えを考えてから挑みたいのが本音だ。頭の回転が遅いのかもしれないし、飛び抜けて好きなものや嫌いなものが少なく、仮に好きな食べ物を質問されたとすると、水泳50メートル自由形決勝のようにほぼ横並びに約10個くらいが思い浮かんで、結局無難なものを選んでしまう。一番好きかどうかなんて一週間考えないと出てこないのに。


だから一週間前に質問を教えてもらいたいと思っていたが、答えを用意したときには気付かなくても、いざ質問されて、それを口に出すとなったときに、言葉にすることが恥ずかしい文章だと気付いて普通の回答をしてしまったらおしまいで、元も子もなくなる。そういうデメリットもある。


質問ありますか?と誰かが聞いてきても一週間考えないと出て来ないし、質問を一週間考えるという行為が結構好きなのかもしれないし、何でも時間がほしい。質問や質問の答えをじっくり考えたいと言ってはいるが、この文章は数十分で書き終えてしまうという。


そもそも記憶力がないから考えても覚えられずにすぐ忘れるし、考えすぎて変になってしまうかもしれないし、結局当日に質疑応答するのが一番いいのかもしれない。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、僕が今ここで使用した“水泳50メートル自由形決勝のようにほぼ横並びに”という何気ない表現について色々と質問をしてきて、何日もかけて必死に掘り下げようとしてみよう。かなり弱る。あと僕が10文字くらいの質問をしたとして、その質問に食い気味で答えて10分以上ノンストップで喋り続けたら弱らずにひく。

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