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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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左折車と僕

左折車の恐怖は日に日に増している。歩いていれば車と遭遇する。歩いていれば横断歩道を渡ることも少なくない。横断歩道を渡っていれば左折車がウインカーを出して、今か今かと左折するのを待っているところに遭遇する。


そうなると、はやく横断歩道を渡ってしまおうという衝動に駆られる。一秒でもはやくあの車が左折すれば何か変わるかもしれない、運転手の何かが変わるかもしれないという気持ちにもなる。全力で横断歩道を駆け抜け始めたのは僕が運転出来るようになるかなり前からで、運転の時に歩行者にイライラしたからという訳ではない。


2秒かからないくらいはやく横断歩道を渡る癖がついて、全力でダッシュをし過ぎてポケットのものを落とすというかえって迷惑なことも起こしてしまった。幸い、車で轢いても問題のないものだったので良かったのだが。


横断歩道の手前では常に警戒し、左側の横断歩道を渡るときには右後ろの左折車を確認する。もちろん右折車も把握している。止めるのが申し訳ないという理由が一番で、左折車が控える道の横断歩道を堂々と踏みしめて歩ける日は一生来ないだろう。


自分が左折する運転手側の時は、後ろのプレッシャーに押し潰されそうになるので早く渡ってほしいが歩行者にプレッシャーをかけたくもないというジレンマに陥ってしまう。人が一人しか通れないような狭い道を歩いているときには後ろから自転車やランナーが来ないか10秒に一回振り返ってしまうという一面も僕にはある。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、狭い道を歩いている僕の後ろから自転車で近づいてきて、僕が道を譲り、そこを通り抜けたら、ぐるっと回って再び僕の後ろを自転車で走る、というのを5回以上繰り返すと、あまりさりげなくはないがかなり弱ることは間違いない。

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