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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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くしゃみと僕

くしゃみは止められない。くしゃみは止めることが出来ない。くしゃみを止められるものは何もない。くしゃみを止められるものは誰もいない。嚔という漢字をくしゃみと正確に読めるものは数人しかいない。くしゃみをするときの顔がクシャクシャしていて美しい人のことをクシャ美と呼ぶものは誰もいない。


くしゃみでの体力の消耗は凄い。くしゃみ5回でカラオケ1曲分くらい疲れる。くしゃみが3回連続で出たことがある。カラオケに行って3回連続で歌った場合、相当疲れるのだから、くしゃみも3回連続はかなりの体力を消耗する。3回以上連続で出たことはないので、3回以上出たときは立っていられるか分からない。


レンタルビデオ店で、DVDの新作を眺めていたときに隣に来た紳士は凄かった。5秒に7回のくしゃみをしたのだ。もっと短い時間かもしれないが、間隔がとてつもなく狭かった。間隔が狭いにも関わらず、しっかりとしたくしゃみだった。あんなマシンガンくしゃみは見たことがなかったので、ほんのわずかな感動を覚えた。あれは、かなりの疲労感だろうと少し心配にもなった。


混雑している電車に乗り込んだとき、たまたま一席空いていた。僕はラッキーと心の中で思ってその席に座った。だが、電車が走り出す前にラッキーという気持ちが吹き飛んだ。隣のオジサンが爆音のくしゃみをしたのだ。立ち上がりそうになるくらいの衝撃を受けた。手に何も持っていなくて本当に良かったと思っている。くしゃみは加減が出来るもの。もう少し小さくくしゃみしてほしいものだ。


何回も出そうで一回も出ない日もある。独特なくしゃみで集中を掻き乱される日もある。自宅に居るときに家の外の何処かの家の人のくしゃみが聞こえる日もある。くしゃみは日常に溢れている。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、さりげなく僕の隣に来て、さりげなく大きなくしゃみをすればいいのだ。近くでくしゃみをされるとダメージはとてつもない。あとは、さりげなく僕の横に来て、さりげなくコショウを振り撒けばいい。くしゃみは体力を消耗するので、弱ることは間違いない。

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