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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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アルコールと僕

アルコールはとても怖いものだ。

空っぽの胃に大量に流し込んだアルコールは脳をスリーパーホールドしてくる。空っぽの胃に大量に流し込んだアルコールは微動のヘッドバンギングを強制してくる。空っぽの胃に大量に流し込んだアルコールはこの上ない無口を悪化させてくる。空っぽの胃に大量に流し込んだアルコールは後から胃の中に入ってきたお友達を外へ連れ出そうとしてくる。


カラダは段々とアルコール様の思い通りになっていく。スリーパーホールドされた脳は作用しなくなり、強制ヘッドバンギングし続けたカラダは力を奪われ、胃の中のお友達は地面に放り出される。アルコール前に枝豆さんたちを胃の中の警備につかせていたら食い止められたかもしれない悪夢。それが8年くらい前の出来事である。


お酒と疎遠になった理由はそれだけではない。アルコール現象の中で一番怖いのは尿意。平均5時間は間隔がある尿意がお酒を飲むだけで10分間隔になる。トイレの回数が何回増えたかは計算できないが無駄な時間だ。トイレタイムを削ると、どう変わるのか。美味しい料理をより長く味わえて、一緒に行った人たちとの会話がより長く出来きて仲がより深まる。僕は無口の極みなので前者のみなのだが。


尿意の間隔を狭めず、無口を悪化させないお酒が出来れば良いのにと思っている今日この頃である。頻尿にならず無口を悪化させないお酒が開発出来ないのであれば、いっそ椅子が便器になっている一人用の個室がいっぱいあるトイレ居酒屋を作ってしまうというのもいいかもしれない。いや、そんなものがあっても絶対に行きたくない。不潔すぎる。気分がよくない。落ち着かない。アルコール頻尿人にはトイレと席を10往復以上する道しか用意されていないのだ。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、トイレまで一分以上歩かないと辿り着かない長細い居酒屋に誘ってお酒をさりげなく勧めて、あとは歩き疲れて弱るのを待つだけでOK。しつこすぎない程度に質問をして無口を妨害するともっと弱ることでしょう。胃が空っぽの状態の僕に大量のアルコールを飲ませるのは、さりげなくない上に、弱る以上のことになってしまうのでオススメは出来ない。

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