初めての戦闘と従魔召喚
宿屋で朝食の黒パン・・・ではなく真っ白な食パンを食べた。 異世界感台無しだよ、などと考えながらも卵や薄い熊肉をトッピングしたものをいただいた。
今日はいよいよ魔物を狩りに行く。帝都のギルドにはFランクで受けられる依頼など街中の雑用くらいだろう。当然そんなことしたくないので、ドラゴンでも狩ってランクを上げることにする。
ただ、自分みたいなFランクの子供ドラゴンを狩ったと言って信じて貰えるだろうか?異空庫に入れれば運べるが、ギルドマスターを呼ぶように頼んでも聞いてもらえないだろう。
さてどうしようかなどと考えていると城壁に辿り着いた。依頼は受けられないのでギルドには寄らず、まっすぐ外に出ることにした。
兵士にギルドカードを見せ外に出る。
「メーティス、まっすぐ行けば森があるらしいって言ってたけど、その森にドラゴンとかっているの?」
『いえ、龍種は森を抜けた先にある山脈に住み着いているようです。森の中だとSランクの王種がいますね』
ちなみにドラゴンはSSSランクだ。
「王種っていうのは、ゴブリンキングとかオークキングとかってこと?」
『その通りです。王種は知性を持ち、武器や防具を装備し、同種を従え連携をとって攻撃してくるためSランクに指定されています』
「ふーん、じゃあ今日はそれを倒しに行くか!」
そう言ってイツキは検索を使う。
「見つけた!」どうやら王種の周りにもたくさんの魔物がいるようだ。
『座標指定しました』
「了解! じゃあ早速、転移!」
目の前の景色が変わる。そして一言
「臭い」
転移先で真っ先に感じたのは悪臭、鼻が曲がりそうなくらい臭い。
目の前には驚いている顔をしたゴブリンらしき魔物と、その後ろで偉そうにしている王種。
それを見てイツキは、改めて異世界に来たということを実感していた。
驚いていたゴブリン達も王種が吠えると一斉に襲って来た。その数およそ200体
いくら低級とはいえ、200体を同時に相手にするのはかなり難しい、普通なら。
イツキはただ一言呟く。
"動くな"
その言葉を聞いたゴブリンやゴブリンキングは全く動けなくなった。
突然動けなくなったことに驚いたゴブリン達は「グギィ」と困惑の声を上げる。
それを無視してイツキは異空庫から昨日の夜試しに作った名前のない剣を取り出す。
そして横薙ぎに振る。それだけで全てのゴブリンとゴブリンキングは絶命した。
「うーん・・・S級でこれか、やっぱり神言はやりすぎだな。それに名前すらない適当に作った剣ですらこれか・・・全力で作ったら何ができるんだろうか?」
そんなことを呟きながら死体を収納していく
しばらくしてようやく片付けが終わった。自動収納のスキルを思いついたのは全てが終わった後だった。
思った以上に疲れさっさとギルドに報告しに帰ろうとする。
『マスター』珍しくメーティスから話しかけて来た。
「んー?」
『ギルドに報告しに行く前に、従魔召喚も使って見てはいかがでしょう?』
「あ、確かにその方が良さそうだな! 従魔召喚って完全にランダムなのか?」
『完全にというわけではありません。従魔召喚を行うと魔方陣が現れます。その魔方陣に注いだ魔力量によって召喚されるものが変わります。』
そういうことならと、ステータス解放を使いオール9999999に戻す。
「従魔召喚!」スキルを発動すると、メーティスが言っていたように魔方陣が現れた。
その魔方陣にかなりの勢いで魔力が吸われて行く。
9999999もあった魔力が半分まで減ったあたりで突如目の前に大きな影が現れる。
それに対して普段使う機会がない<神眼>を発動する。
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フェンリル (オス) レベル342
職業ー神獣
体力ー456500
魔力ー313000
筋力ー560000
魔攻ー323000
敏捷ー640000
器用ー340000
魔耐ー360000
物耐ー360000
<スキル>
人語理解・結界(超)・炎属性魔法(神)・風属性魔法(神)・巨大化・神速・咆哮・威圧(神)
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