雨上がりに
この雨が上がったら、私たちはそれぞれ別々の道に進んで行く。
私はもう、貴方の道の先を知ることはない。
でもきっと、誰よりも素敵な貴方はどんなステージでも何よりも明るい星のようにキラキラ輝くだろう。
私はそれを知っている。
降りしきる雨よ。
どうしてこんなに冷たいの?
どうしてこんなに暗いの?
その向こうにはキラキラ輝く星空が広がっているのに…
この雨が上がったら、私はまた独りで歩いて行かなくてはいけない。
真っ暗な夜から救ってくれたのは貴方だった。
貴方が射してくれた光が私を暖めてくれた、私に道を教えてくれた。
私を助けてくれたのは貴方だった。
降り頻る雨よ。
どうして降りだしてしまったの?
どうして道が分かれてしまったの?
どうしてその向こうの星空に私は憧れてしまったの?
この雨も少し弱まってきた。もうすぐ貴方は歩き出すだろう。
貴方はまた私のような迷える者を救って歩いていくのかな?
それとも誰か、大切な誰かを見つけて手を繋いで歩いていくのかな?
…嫌だと思ってしまう私が嫌だ……
弱まってきた雨よ。
どうかもう少しだけ降り続いて。
どうかもう少しだけ雨宿りを続けさせて。
不細工でも強がりでもせめて笑顔で貴方を送り出したいから…
この雨ももうすぐ上がってしまうだろう。私ももうすぐ歩き出さなければならない。
私は貴方に出会えて何か変われただろうか?
暗闇に怯えて震えていただけの私は貴方の光で上を見た。星を見つけ、道を決めた。
私は変わった。それは間違いない。
上がりそうな雨よ。
私はこれから挫けるかもしれない。
私はまた迷ってしまうかもしれない。
でもきっと星を見上げて進んで行ける。貴方から貰った暖かい光がこの胸にあるのだから…
降り頻っていた雨ももう上がった。私たちはこれから歩き出す。
2人の道が交わることはもうないだろう。
貴方の行く先に幸あれ。心配しなくても私の道は自分で切り開いていけるよ、だから安心して。
貴方に出会えたから私はそう思える。
上がってしまった雨よ。
私は真っ直ぐ前だけ見て進んで行く。
私は振り返らず星を見る。
バイバイ…
大好きだよ…
大好きだったよ……