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新キャラ1

 「時は満ちたッ!!!」


 「急にどうしたんですかっお兄様!」


 初めてダンジョンに潜った日から、八年位たった。今では俺もアイリスも十五歳だ。


 今日まで俺達は、週一位の頻度でダンジョンに潜り、生活していた。人類の最高到達階層が六十二階層で、俺達は四十九階層で足止めを食らっている。


 これ以上進めない理由としては、一日では転移石まで辿りつけなくなったからだ。俺達は二人なので、夜に番をしたりするのが大変なのだ。

 まあ、もちろん走れば普通に着くのだが、ダンジョンを楽しもうと言うことで歩きでの到達を目指している。ダンジョンの特性上、他の冒険者から情報を貰ったりしない俺らは、一度入らなければ、その階層の大きさとかがわからないのだが、初めて五十階層に入った時は大変だった。


 そこは砂漠だった。本来なら装備を整えて行くのだろうが、俺達は高いステータスのおかげで、特に気にせず進んでいった。しかしいくら探しても、転移石が見えてこない。もう夜になってしまった。しかしそんなことを想定していなかった俺は『アイテムボックス』にも野営用の準備がなかった。まあそこは若い俺達だ。もういっそのこと徹夜してしまおうと決め、歩き続ける。

 身体能力が高いので体力的には大丈夫だが、一面の砂の海は、精神にクる。たまに出る魔物を倒すのがいい気分転換になった。結局二日目の夕方に転移石を見つけ、疲労困憊な感じで宿に戻った。


 そんなことがあったので、人数を揃えてから、もう一回五十階層に挑戦しようと、それ未満の階層でお金を稼いで過ごしていた。

 すぐに人手を増やさなかったのは、やりたいことがあったから。


 今日待ちに待った日が来たのだ。

 そう、身長の伸びが止まった。厳密に言うとまだ伸びるのだろうが、ピークは過ぎた。

 どうやって判断したかと言うと、スキル『魔力変化』だ。いつもと同じ量のご飯を食べても、魔力に変化する量が多くなった。つまりは、今まで成長に使っていた栄養が必要なくなったということ。ひいては成長は一段落ついたということだ。きっとそうだ。


 ここまで何故ずっと成長が止まるのを待ったのか、というと俺は全人類の夢、そう不老不死になりたかったのだ。


 この世界で死んだらきっと、すべて無になってしまうだろう。アレックスという個人は、過去の存在となる。そんなのはつまらない。


 前回死んだ時は運が良かったのだ。もしかしたら輪廻転生というのは有るのかもしれない。ただ少なくとも記憶を持っての生まれ変わりなど、もう無いだろう。

 不死になんざならなくとも、高い防御力が外的要因による、死の可能性を無くすだろう。だから老いて朽ちる可能性を消したかった。


 不老不死。文字通り、決して老いることなく、決して死ぬことがない。

 俺が成長が止まるのを待った理由は老いないということは、成長しないということであるかもしれないからだ。確証はないが、一応最も己のピークである時を狙いたかったのだ。


 不老不死による、唯一と言ってもいいだろうデメリットは、友人や家族の死を見送らねばならないことだ。まあそれも俺なら解決できる。友人との別れも、出会いの布石だと考え、ずっと一緒にいて欲しい人には不老不死を与えることもできる。まあ、相手の気持ち有ってこそだが。


 それにしても不老不死ってなんでこんなにも悪役っぽいんだろう。さっきから不老不死連呼してると悪役になった気分がしてなんか嫌だ。


 閑話休題。


 そんなこんなで不老不死になったので、滞っていた人手探しを始めようかな。


 まあ人じゃなくてもいいんだよ。意思疎通が出来て、ある程度強かったら。


 俺ずっと魔物をテイムするのに憧れてたんだよね。モフモフのやつ。


 強い魔物がいるところって言ったら。


 「アイリス!ちょっと外界行ってくる!三日位帰ってこないかも。じゃあね!」


 「えっ!?どういうことですかお兄様っ!?

 お兄様ぁぁぁぁあああ」


 アイリスに出かける旨を伝えると宿の窓から飛び出す。

 なんかアイリスの叫び声が聞こえるが気にしない。


 外界では何があるのかわからないのだ。外界でも内界に近い方はアイリスのステータスで楽勝だろう。いや、奥の方でもステータスだけなら勝っているだろう。だが外界の奥の方にはステータスの差を物ともしない特殊な能力持ちがいたりするのだ。


 だから俺もわざわざ不老不死になってから行くことにした。


 どんな魔物がいいかな。ここはオーソドックスに狼かな。俺はどちらかというと猫派だが、モフモフの代表と言ったら狼だろう。




 《外界は内界を中心にして大きく、東西南北の四つに分けられます。

 北には氷河。西には火山。南には密林。東には砂漠。といった具合にそれぞれ特色があります。

 マスターがお望みの魔物は、北の氷河にいる、幻狼種フェンリルがぴったりかと思われます》


 答えてくれたのは久々の登場、AIさんだ。


 にしてもフェンリルねぇ。テンプレにも程があるな。


 まあ、行く場所は決まったんだ。あとは北の方にダッシュしながら強い魔力を持つものに総当りしていこうか。フェンリルぽかったら服従させ、違ったら倒して素材を剥ぎ取らせて貰おう。




 かれこれ、十体くらいの魔物を倒した時、やっと見つけた。


 「小さき者よ。何故(なにゆえ)我の前に立ちふさがる。今すぐどけば命は助けてやろう」


 フェンリルのように話しかけてくる魔物は結構多かった。とは言ってももちろん人類語ではなく、魔物語とでもいうべき、知能の高い魔物が話す言葉らしい。『自動翻訳』を持っていなかったらきっと、がおーとしか聞こえなかっただろう。


 にしても困った。テイムの仕方がわからない。俺は魔物使いじゃないしな。てかそもそもこの世界に魔物使いという職業があるのかすら怪しい。今まで魔物を連れている人なんて見たことなかったし。

 いや、馬車の馬とか結構魔物ぽかったかも。あれが魔物だとすれば、魔物使いも存在するな。つまり俺が街中で高さ七メートルほどの狼を連れていても変じゃないかな。


 良し。とりあえず半殺しにして服従させればいいや。

 一応意思確認はしとこう。


 「おーい。俺に服従する気はあるかー」


 「ほざけ。小さきものよ。己の分をわきまえよ!」


 襲いかかってきた。交渉決裂か。



 二分後。そこにはお腹を見せ服従のポーズをとる狼がいた。



 「俺の下僕になるよな?」


 「は、はい。もちろんです。どこまでもついて行きますじゃ」


 「よし」


 とは言ったものの、さすがにこのまま街に入れると住人がパニックになるな。うーん。


 「お前ってメスか?」


 「はい。メスですじゃ」


 「お前って若い?」


 「はい。生まれてからまだ五十年ですじゃ」


 「それって若いの?」


 「我の種族だとまだまだ子供ですじゃ」


 ふーん。ならば決定だ。こいつには『擬人化』と『小型化』のスキルをつけよう。あとついでに『自動翻訳』も。


 「おい。擬人化、と念じてみろ。あとその不自然な敬語もやめていいぞ」


 「……?わかったのじゃ」


 少し間を置いてフェンリルの体が光を放つ。


 「おお?なんじゃなんじゃ?」


 光が消えると全裸の銀髪ケモ耳幼女がいた。


 よし!成功だ。俺がしつこく質問したのはこうなるのを求めたからだ。もしこいつがオスだったら、『小型化』のスキルだけをつけただろう。幼いか聞いたのは俺の趣味だ。


 『小型化』は狼の姿のままサイズだけ小さくなるスキルだ。ステータスは変わらないので小さいのに強い、ということになる。


 『擬人化』のスキルはその名の通り擬人化するスキルだ。擬人化してもステータスは変わらないのでぅゎょぅι゛ょっょぃということになる。


 「これはどういうことじゃ?」


 「それは『擬人化』のスキルの能力だよ。

 人みたいな姿になれるんだ」


 と、俺はフェンリルの頭、耳と耳の間を撫でながら言う。


 「う、うむ。そうであったか。しかし主よ。さっきと態度が違いすぎやしないか?」


 「気のせいじゃね」


 別に幼女だから優しくしたわけではない。たださっきまでは、少しでも威圧感を与えるために上から目線で喋っていたのだ。いや、ほんとだよ?


 「なあ、名前を教えてくれないか」


 「う、うむ。我らには名前という名前がないのだ。よければ主がつけてくれんかの?」


 うーん。名前ねぇ。


 「エリルってのはどうよ」


 フェンリルから取った。


 「うーん。うむ。気に入ったのじゃ!我は今日からエリルじゃ!」


 「俺の名前はアレックス。これからよろしく」


 さて、エリルに『アイテムボックス』に入れてあるアイリスの服を着せ、ここで一夜を明かすことにする。明日からはエリルに合わせて走るので、行きよりも時間がかかるだろう。アイリスが心配だ。今は寝て早く帰れるようにしよう。





 「アイリスー。帰ったぞ」


 「お兄様。そこに座ってください」


 「そこって、指さしてんの床だよ?帰ってきたばっかの兄にそこに座れというの?」

 「座れ」


 「はい」


 あの後、急いだおかげで結果アイリスの側から離れたのは二日と少しだ。エリルを連れ、宿の扉を開けるとなにやら怒っているアイリスがいた。


 「急にいなくなるなんて何を考えていらっしゃるんですか?それも二日も帰ってこないし、どれだけ心配したと思っているんですか?」


 「いや、ちゃんと三日くらい帰ってこないって」


 「ちゃんと!?一方的に言い放った、の間違いでしょう!あれをちゃんと、とは言いません」


 「は、はい。ちゃんとではありませんでした……。すいません」


 失言だったようだ。


 「それに、なにやら可愛い女の子を連れて帰って来たようですね」


 「ああ、紹介するよ。彼女はエリル。人手確保のために連れてきた」


 「ええ、人数を増やすのは賛成です。野営とかありますものね。でも!ダンジョンに入るというのに何故年端もいかない女の子を連れて来るんですか!?それも十歳程度の!」


 「いや、俺らもそんくらいでダンジョン入ってたろ。あと五十歳くらいらしいぞ」


 「そんなことを言っているのではありません!(わたくし)は……って五十歳?」


 アイリスがやっとエリルの方へ顔を向ける。

 アイリスがエリルが五十歳だとすぐに信じられたのは、この世界において見た目と実年齢が一致しないことはたまにあるからだ。


 「う、うむ。生まれてから五十年はたった」


 俺がアイリスに説教されているあいだはオロオロとしていたが、アイリスに顔を向けられ、吃りながらも返事をする。


 「そ、それはすいません。大変ご無礼を……」


 「いや、気にせずとも良い」


 「ありがとうございます」


 さて話もまとまったようだし。


 「もう立ってもいい?」


 「ダメです。お兄様は私を心配させた罰としてしばらくそうしててください」


 「そんなー」


 エリルも同じ部屋で寝るので夜に再び自己紹介しあった。そこでエリルが魔物だと知って、アイリスが驚く、なんてこともあったのだがそれは別のお話だ。

 主人公が今寝泊まりしている宿は、以前よりも高級な宿です。そこでふたり部屋をとっています。

 ふたり部屋なのでベットは二つあるのですが、未だに兄妹は一緒に寝ているのでベットが一つあまります。そこでエリルが寝ています。


 ちなみに、それぞれのベットはふたり寝てもまだ余裕があるくらいの大きさです。

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