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新たなる幼女

 朝だ。今日は学校。ニーナと相談せねばならない。


 アイリスと共に、食堂へ行き、朝食をとる。



 ーーーーーーー



 「おはよう。ガリバー家についての相談だ」


 「おはよう。ずいぶん長い間放っておかれたから忘れられたのかと思ったわ」


 「そんなわけあるか」


 するどい。


 「それで、ガリバー家は潰していいのか?」


 一応聞いておく。脳筋的発想。


 「出来ればやめて欲しいわね。ダメなのは息子だけであとは普通の人達だから」


 ほーん。


 「というより、貴方は私の王子様なのだから、貴方が私の家に来てくれれば済む話よ」


 絶対に嫌だね。だって一回顔見せただけじゃ済まないだろ。それこそ婿にならなきゃダメだ。だったら糞息子をどうにかすればいい。直談判でもするかな。ダメだったらどうしよう。

 てか、折角ニーナのお母さんが逃げ道を作っていてくれたというのに活用できないとは。


 「今度どっかにそのだめ息子を呼んでくれ。話してみる」


 「わかったわ」


 話はまとまった。


 「ところでクソ息子の名前は?」


 「ジャンよ」




 ニーナとジャンはそれぞれ両親に連れられ、出会ったらしい。ニーナの家族と、ジャンの家族は仲が良かった。元々ニーナの母と、ジャンの母の仲が良かったそうだ。度々両家は会ったりしていたらしい。そういう時、ニーナは大抵ジャンの妹と話していて、ジャンなんて目の端にも入らなかったらしい。でもジャンはニーナに惚れた。ので、ジャンは自分の親に、ニーナと結婚したいと言った。両家繋がりを強化のしたかったジャンの父は快諾。あちらに掛け合って見ると言った。しかしジャンの母は乗り気ではなかった。なぜなら自分の息子の暗い感情に、薄々気がついていたから。


 以上。俺の調べたニーナとジャンの関係。勿論AIさんだ。



 ーーーー



 ニーナに話しかけられた。どうやら話し合いの日程が決まったと。明日だって。急だね。場所はガリバー家。アウェーだ。怖い。



 ーーーーーーーー



 俺が今いるのはガリバー家の前。ニーナと一緒だ。今からする事は簡単だ。要はジャンに諦めさせればいい。つまり、俺とニーナは付き合っているから諦めな、というのだ。ジャンならきっとわかってくれるさ。

 正直、ニーナのお母さんに会うのと全く変わらない手段だ。なんにも考えていなかったんだ。しょうがないだろ。


 「お待ちしておりました。ニーナ・クレイニア様。アレックス様」

 

 美人なメイドさんに迎えられる。美人だが胸が大きい。削いでやろうかしら。


 「こちらへ」


 案内されたところには既にジャンらしき人がいた。


 「久しぶりだな。ニーナ」


 「そうね」


 素っ気なく返すニーナ。もっと愛想よくしなさい。


 「はじめまして、ジャン・ガリバー殿。お会いできて光栄です」


 社交辞令でもこういうことを言うのは屈辱だな。自尊心の高さが仇となった。


 「…………」


 こっちを一瞬睨めつけただけで何も言わないジャン。この野郎。


 「今日ここに来たのはあなたに話が……」

 「僕はニーナと二人で話したい」


 ニーナの言葉を遮り、ジャンが言った。正直どうでもいいので、ニーナに判断を仰ぐ。


 頷かれた。俺は外で待っていよう。さっき綺麗な庭が見えたんだ。


 一言。庭にいると言い残し、部屋を出る。一応ニーナに何かあった時にわかるようにしておこう。脳の一部で、あの部屋を見ながら、庭に行く。


 ジャンの性で荒んだ心が癒されるようだ。


 わぁ!綺麗なお花。ずっと眺めていられるわ。


 「あ、あの」


 あっ、蝶々だ。うふふ。待てー。あれなんか羽が鋭利。


 「あのー」


 あ、ミミズさん。キモイ。ミミズは流石にない。


 「あ、あの!!」


 なんだよ。聞こえてるよ。聞こえている上で無視してたんだよ。

 まあ、ここまで大きな声を出されたら、反応しないわけにもいくまい。


 「なんだよ」


 そう言って振り向く。


 「え、ええと。ここで何しているのですか?」


 可愛い娘だった。無視する必要なかったな。もしかするとこの娘はジャンの妹だろうか。似てないな。


 程よく幼い。ストライクだな。


 「お花と戯れていたんだよ」


 「へ、へぇー……」


 引かれたきがする。まあ俺は君に惹かれているがな。この決めゼリフをいつか使ってみたい。声に出して。


 「君はどうしたの?」


 どうでもいいけど俺って今、すごく不審者じゃね。


 「私はですね……」


 空気が変わる。庭を囲んでいた連中が動き出した。奴らはずっといたのだ。だから馬鹿にしようと思って、馬鹿な行為をした。それで「なんだこいつ馬鹿じゃん。簡単に殺せそうだな」って、出てきてくれることを望んでいた。しかし、妹ちゃんが出てきてから奴らは動き出した。妹ちゃんも必要だったのかな。それとも、元々俺なんて狙ってなかったとか?


 そうこうしているうちに、すっかり囲まれてしまう。三十人くらいか。いくら広い庭だからと言って、こんなにいたら狭い。こいつらは馬鹿なんじゃないだろうか。


 裾を引っ張られる。妹ちゃんだ。


 「お兄さん……怖いです……」


 まあ、こんだけ囲まれればな。俺もこわい。ので、気絶して貰おう。そしたら怖くない。

 すぐに行動を起こす。一瞬だ。一瞬あれば十分。地面を傷つけないように気をつけて、奴らの腹に突進する。腹に頭突きを受けた奴らは、例外なく地面に倒れ込んだ。


 ここまで、妹ちゃんの瞬きの間。


 頭突きした時の感触が気持ち悪い。なんか頭がモヤッとする。


 「おーい。もう大丈夫だぜ」


 妹ちゃんの肩を軽く叩きながらいう。すると潤んだ瞳で周囲を見渡し、俺の顔を見つめる。


 「お兄さんがやったのですか?」


 「この場に俺と君以外誰かいる?」


 いや、地面に三十人転がっているんだけどね。


 「そ、そうですね」


 緊張が解けたのか、へたりこんでしまう妹ちゃん。それを受け止め、横抱きにする。そうやってベンチに運び、俺の膝の上にのせる。落ち着くまで話していよう。


 なんかこの娘は守ってあげたくなる感じだな。いや、俺は幼女全般を守ってあげたくなるのだが。

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