ハーレム加入
昨日のあらすじ。俺はノーパンで過ごした。
まさか霊城が女だったとは。しかし言われて見れば女っぽく見えなくもないか?元々男にしては、髪が長いほうだと思ってはいたんだ。
今日から霊城にどう接しようかな。なんか気まずい。
教室の扉を開く。
「れろ…………んっ…はぁ……」
なにしてんの。俺の席に先客がいた。とは言っても誰かが座っている訳ではない。先に使用されているということだ。いや、これは使用しているのか?
「なに人の椅子舐めてんだ。気持ち悪い」
「れろ……んっ、おはようアレックス。今日もかっこいいね」
霊城がキモイよ。仮にも女の子にこんなことを言いたくはないがキモイ。
「お前まさか前からこんなことをしてるんじゃないだろうな」
「まさか。今日初めてやったよ。最高だね」
おそらく自分が変態だとバレたことで、己の変態性を我慢しなくなったということだろう。
椅子を浄化して、霊城に何のつもりかを問う。
「なんか美味しそうだったら舐めてみた。そしたらやっぱり美味しかった。アレックスの味がした」
怖い。
「そうだ、アレックス!弁当を作ってきたんだ。食べてくれないか」
「なんか変なものが入ってそうだからやだ」
「はは、愛液は入れてないから安心してよ」
「それ以外は入ってそうな言い方だな」
「経血も入ってないって」
「ならいいか」
そう言って、鞄から弁当を出す霊城を眺める。睫毛は長いか。なんてこった。普通に女の子だ。再三確認した。
「はい、あーん」
「はむ」
差し出された玉子焼きを食べる。チョイスがあざとい。ちなみに箸は一般的に使われています。
甘めで美味しかった。なんか負けた気がする。
「ほう?」
さっき俺に差し出した箸をなめながら感想を聞いてくる霊城。
「ぐっ、美味しかった……」
「良かった……」
顔をほころばせる霊城。可愛い、なんて思ってしまった。
アイリスとララスからの視線が厳しい。
「お兄様はそうやってハーレムを拡大させていくのですね」
「まあ、英雄色を好む、と言いますし……」
ハーレムを拡大させる気はありません。特に霊城なんか誰がハーレムに加えるものか。
「アレックス!次はこれ!」
そうやってウィンナーを差し出す。うまい。てか、さっきお前箸舐めてたろ。こんな関節キスやだ。
ーーーーー
完食した。今更だが、なんで霊城は登校したばっかの俺に飯を食わせたのだろう。朝だよ?朝ごはん食べたばっかだよ?
「早く食べて貰いたかったんだ」
ほう。乙女的なところもあるようだ。
「アレックスの唾液は美味しいね」
「そうかい。褒めてくれてありがとう」
もういやよ。こんなの。早く我が屋敷が誇る幼女達にあって癒されたい。
イリアの教室の席は、俺と同じで窓際一番後ろらしい。『通信』をして、窓を開けてもらう。俺は『アイテムボックス』からフック付きロープ(短)を取り出す。
皆に、「少ししたら戻る」と言い、窓から飛び降りる。イリア達の教室は三階下だったかな。開けてある窓にフックを引っ掛けぶら下がる。上で霊城がなんか騒いでいるのが聞こえる。急に飛び降りたから驚かせてしまったようだ。
ロープを手繰り、教室へ入る。少年少女が驚いているのが見える。しかし変態によって荒んでしまった心を癒すことを主目標としている俺には、そんなことはどうでも良い。
一番近くにいたイリアに抱きつく。柔らくていい匂いがする。
「ご主人様?」
イリアが戸惑っているようだ。
「あ、主?急にどうしたのじゃ?」
エリルに聞かれる。見ると、他の幼女達もいるようだ。ちょうどいい。ほかの娘にも癒して貰おう。
一人につき、十分くらい抱きついた。だいぶ癒された。途中、教師が教室に入ってきて、俺に何事か言っていたが、耳に入らなかった。
満足した。上に帰ろう。帰るときは階段です。三階くらいだったら、わざわざエレベーター的な魔道具を使う必要も無い。
教室の扉を開ける。俺の席にはまたしても先客がいた。ていうか霊城が俺の席に座って机に体をこすりつけている。
今授業中だよ?お前なにしてんの。
カレン先生は放置している。注意しても無駄だったのだろうか。
「霊城。何をやっているんだ」
「おかえりアレックス。これは僕の体にアレックスの匂いをつけると同時に、アレックスの机に僕の匂いをつけることのできる神聖な行動さ」
どこら辺が神聖なのだろうか。ていうかアイリス。止めてくれなかったのか?
「熱意に負けました」
「えー」
「彼女ならお兄様のハーレムに入ってもいいでしょう。うまくやっていけます」
アイリスが認めちゃったよ。どうしようね。
「これからよろしく。アレックス」
「…………。ああよろしく、霊城」
妹の決定には逆らわない。いい兄の教訓だ。
霊城を退かして席に座る。うわ。べっちょべちょだ。浄化。
ごめんなさい。これくらいの変態度が限界です。より変態になるよう努力します。




