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プロポーズ

最初の方アイリス視点。後半アレックス視点。

 皆さんお久しぶりです。ベストオブ妹ニストのアイリスです




 ーーーーーーー



 「あれー?アレックスくーん。はぁ、またサボりですか。そろそろお説教しなきゃですかね」


 お兄様は今日も実技は受けないようです。とても強いので受ける必要がないのは確かですが、学生である以上授業はしっかり受けないといけないと思います。

 

 そんな感じで内心プンスカしていると霊城さんに話しかけられました。


 「あの、アイリスさん。少しお話どうかな?」


 今は二人組を作り組手をする時間です。最初こそララスとやっていましたが、それ以降はいろんな人とやっています。まあ、そんなに回数こなしたわけではないのですが。


 今日は霊城さんと組んだのです。そしていざ組手をしようかという時に話しかけられたのです。


 「ええ、なんですか?」


 「ええと、その、アレックスのことなんだけど」


 お兄様のこと?まあ、当然と言えば当然ですね。霊城さんとの共通の話題なんてそれしかないですから。


 「家ではどんな感じ?」


 なんでそんなこと聞くんだろ。わざわざ(わたくし)と会話なんかしないで組手をすればいいのに。それとも女性は殴れないとか寝ぼけたことを言う人なんでしょうか。


 「私を含め、屋敷全員にとても優しくしてくれます」


 


 それ以降も何かと話しかけてきました。正直面倒です。なんでこんなに話しかけて来るんでしょう。お兄様のことが好きなのかな。だったらライバルですね。





ーーーーーーーーー




 好きな女の子の名前はアイリス、その他大勢。アレックスです。昨日はずっと屋敷でみんなの帰りを待っていた。


 え?キスはしたかって?それは各自の想像に任せるが、一個だけ言わせてもらおう。俺は妹との約束を破ることを良しとしない。



 今日もいやいや学校へ行く。唯一の楽しみはアイリスの勉強姿を拝めることくらいか。


 席に座り、アイリスとララスと話して授業が始まるまで待つ。




 そろそろ始まる時間かな。そう思った瞬間にカレン先生が扉を開け、入ってくる。


 しかしキョロキョロするばかりで授業を始める気配がない。クラスのほとんどが首をひねったあたりで、一点に視線を止め声を上げる。


 「いたッ!」


 誰かを探していたということか。そのままズカズカこっちに近づいてくる。


 「アレックスくん。こっちに来てください!」


 「えっなんすか」

 

 俺を探してたんか。腕を引っ張って俺を教室の外に出し、先生も出る。しかし一回顔を教室に入れ言う。


 「一時限目は自習ですっ!」



ーーーーーーー



 ところ変わって生徒指導室。



 「アレックスくん、なんで呼ばれたかわかりますか」


 「皆目検討がつかない」


 そう言えば学校では寡黙なキャラなんだった。油断してなんすかとか言っちゃったけど。


 「授業をサボりまくっていることですよっ!」


 そのことか。無断で屋上に侵入したことかと思ってたわ。内心ビクビクだった。


 「そもそもですね、アレックスくんはサボリがどんだけいけないことかわかっていません」


 そう言ってクドクドと説明をし始めるカレン先生。こんなのは聞き流すに限る。というわけでカレン先生を観察します。ぱっちりお目目に長めの髪。小さい口。幼女の鏡のような人だ。可愛い。授業出ないのは少しもったいなかったかな。幼女を眺めるのに全力を尽くさないで何がロリコンか。俺は己が恥ずかしい。なのでこれから先生を愛でます。浮気じゃないよ。これは俺の義務なんだよ。


 「先生って可愛いですよね」


 「かわっ……。なんですか。褒めたって許しませんよ」


 とかいいながら機嫌は良くなったようだ。個人的にナンパ男のような歯の浮くセリフを言うのは気が進まないのだが、幼女への愛の前ではそんなものはゴミだ。


 「なんで先生になったんですか?そんなに可愛いなら何処ぞの貴族とでも結婚できるだろうに」


 先生が未婚という情報は掴んでいる。なんか授業中に嘆いていた気がする。


 「私にも結婚を申し込んでくれる人がいたんですがね、みんな変な趣味をもったおじさんだったんですよ……。いや、子供が好きなので教師も楽しいんですがね」


 「先生は年下好きということですか?」


 「え、ええ。そういうことですかね」


 「なら俺の屋敷に来ませんか?幸せにしますよ」


 これで振られたら立ち直れないだろう。しかし一種の自信がある。


 「そ、それって、プロポーズですか?本気にしますよ?」

 

 ちなみにこの国では、結婚できる年齢は特に決まってなく、個人の判断に委ねられる。十五歳って言うのは全く珍しくない。さらに一夫多妻も認められている。養えるのならば好きにしろ、ということだ。


 「本気にしてくださって構いませんよ」


 「じゃ、じゃあお願いします……」


 ちょろい。三十路女性ちょろい。いやカレン先生は二十五歳だけど。アラサーではあるね。


 「今日、お暇ですか?屋敷に招待しますよ」


 「え、ええ楽しみに待っています」


 「話もまとまったところで教室に戻りましょうか」


 「はい」


 さあ、ハーレムメンバーが増えたぞ。



 自分で誘っといてなんだけど、多分俺はカレン先生を完全に信用することができないと思う。アイリスや、ララス、エリル、サリー、ミリ、イルミア、アミ、カリナ、ラウラ、クラウ、イリア、ミリア、マリア。彼女らのことを俺は無条件で信用できる。なぜなら彼女らは俺を信用してくれているからである。それは彼女らが、俺が死ぬまでの不老不死になったことからもわかるだろう。それ以外も何かと理解してくれている。

 少しひどい言い方をすれば、俺は彼女らに依存している。きっと彼女らがいなくなったらこの世界を滅ぼすくらいするだろう。彼女らは、今や俺の存在の前提と言ってもいい。

 俺は彼女らが不老不死になった時、すごく嬉しかった。永遠の時間を一緒に過ごせるからだ。彼女らさえいれば、俺は無限の時間だって苦痛にはならない。それくらい好きなのだ。


 話を戻そう。カレン先生のことをそこまで好きになることがないとは言えないが、今は違う。よくも悪くも彼女は普通の人だ。少し外見が俺好みだというだけで。


 長らく語ったが、結局言いたい事はだ。


 「俺はお前らが大好きだということだよ。だから足崩していい?」


 さて場所は屋上。カレン先生と教室に戻ったら、アイリスとララスに両腕掴まれて運ばれたのです。俺がつく頃には既に幼女組が揃ってた。


 なにやら俺を心配したアイリスが、風の魔法で生徒指導室の会話を聞いていたらしい。それを『通信』を使い、リアルタイムで皆に伝えていたらしい。なので俺は弁解をしているところである。

 しょうがないじゃん。合法だったし。可愛い幼女だったし。


 「お兄様には私達がいるではないですか!」


 前は奴隷達すら警戒していたのに今では私達に含めているよ。お兄様は妹の成長が嬉しいです。


 「いや、好みの女の子だったから……」


 「お兄様は私達じゃ満足出来ないのですか!?」


 「いや、そういうわけじゃ……」


 「ならばどういうつもりですか!ニーナさんのことがあったばかりだというのに!」

  

 やべ、正直忘れてたわ。


 なんとか説得する。


 「今日屋敷に呼んだからさ、人となりを見てくれよ。そのうえでダメなら、俺からごめんなさいするから」


 プロポーズしたけど妹が嫌がるのでやっぱなしねって言うとただの糞野郎なので、『何でもできる力』で記憶を消します。先生も傷つかず、アイリス達も納得。完璧。俺って本当に屑だな。


 

 アレックスのイケメンパワーで、結婚に悩むアラサー女性を落としました。

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