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ブーメラン

 少し短め

 昨日アイリスを置いて屋敷に帰ってしまったことに小言を言われながら教室に入る。


 今日も退屈な授業が始まるぞ。二日目にして飽きた。




 授業を抜け出して屋上にいく。今日は電波ちゃんがいないようだ。

 ほんのりとさみしさを感じながらもアリスちゃんにもらった携帯ゲーム機で遊ぶ。充電は魔力でできるんだと。異世界仕様。


 


 もう昼の時間だ。アイリスに屋上にいることを告げ、ゲーム機の電源を切って仕舞う。

 程なくして、アイリス達がやってくる。


 「あ、アレックス君……」


 サラシャに声をかけられる。


 「なんだ」


 「授業にはきちんと出ないきゃダメだよ」


 叱られてしまった。


 「気をつける」


 


 昼ごはんが終わる。

 午後は実技。学外へ行こうか。気をつけると言ったな。あれは嘘だ。


 露店を巡っていると、聞いたことのある声がする。確証はないが電波ちゃんの声だ。

 少し気になって声の出元を探す。


 少し進んだ先の路地裏にいた。なにやら二人の男と話しているようだ。


 「お嬢ちゃん。一緒にお茶でもどうよ」


 「楽しませて上げるよ?」


 なんだナンパか。ナンパの作法なんか知らないが、路地裏でやるものなのだろうか。いい歳したおっさんが。恥ずかしくないのかね。このロリコンがッ!!


 「あなた達は私の王子様?」


 この娘出会う人にそんな事言ってるのかな。それともナンパ相手だけ?だとすると俺もナンパ男に見られた可能性。声をかけたわけじゃないのに。



 「はぁ?何言ってんだ」


 「もうイイから連れてっちまおうぜ。こいつはなかなか見た目もいいし高く売れるだろうよ」


 「それもそうだな。付いてこいッ!」

 

 「きゃっ!」


 あのおじさん達は人さらいだったようだ。どっちにしろ救えない奴らだ。俺の前で幼女風な女の子を攫おうとは。許すまじ。


 都合のいいことに二人は俺に背を向けている。ので、足音を立てずに忍び寄り、それぞれの首をト-ンッってする。気絶したこいつらは交番に連れていこう。この世界に交番なんかあったかな。


 男共の首根っこを掴んでズルズルと引きずっていると、電波ちゃんに声をかけられる。


 「あのっ。あ、ありがとう」


 「……どういたしまして」


 さて、もう疲れた。お家に帰りたい。おじさん達を警備兵のいる所に投げ捨て屋敷に帰る。


 「おかえりなさい。お兄様」


 ニコっと可愛い笑顔を向けるアイリス。しかしなんだろう。作られた、というか違和感ある笑顔だった。


 「ただいま。どうしたの?」


 「どうしたって何がですか?」


 「いや、笑顔が変だし……」


 「いえ別に。散々昨日先に帰ったことを怒ったのにいつの間にか学校からいなくなっていた人がいたので」


 「そいつはひどいやつだな。そんなやつと関わるのはやめてお兄様と仲良くしよう」


 しかしアイリスの知り合いにそんなひどい人がいるのか。アイリスを置いて帰るだなんてありえない所業だ。この最低野郎め。



 「そうですねぇ。今すぐ謝ってくれるのでしたら許しますが、そうでないならそんな人と関わるのはやめましょうかね」


 一も二もなく俺は土下座の体制へ移行した。この世界に置いても土下座は最上級の謝罪だ。



 「すいませんでしたァッ!足でも何でも舐めるんで関わりを断つのだけは勘弁してくださいッ」


 「あ、謝ってくれればいいです。そこまでしなくても……」


 なんだ。足舐めちゃダメなのか。残念。


 「で、でも……」


 「ん?」


 「寂しかったのでいつもより構ってください……」


 言うなりプイと顔を逸らしてしまう。見たか?これが俺の妹だぜ?最高。

 


 明日からは授業ちゃんと受けようかな。「妹はしっかりしているけど兄はちゃらんぽらんねぇ」なんて言われたら、兄としての面目丸潰れだ。それに幼女達にも示しがつかない。退屈でもしっかりと受けよう。なに、合法ロリを眺めていれば終わるんだろ。簡単だ。

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