新キャラ3
再三言うが、俺の目的は俺の身内に友達を作らせることだ。俺は別にいらない。もちろん俺は孤独が好きなんだ、などと言うつもりはない。アイリス達がいれば満足だというだけだ。
「やあ。僕の名前は霊城蓮司。よろしく」
だから
「俺はラナト。よろしくな」
この状況は
「あたしは、レイナ・シャインガード。よろしく」
好ましくない。
「あ、ああたしの名前はサラシャですっ。よろしくおねがいしますっ」
どうしてこうなった。
順に、爽やかな笑みを浮かべる茶髪の少年。なんというか、良くも悪くもフレンドリーな、赤みがかった髪の少年。金髪で気の強そうな少女。反対におどおどとした、気の弱そうな少女。
登校して、アイリスとララスと話していたら、後からやってきたこの四人に「ちょっといいかい」なんて話しかけられたのだ。
勿論俺は霊城とラナトがアイリス狙いで話しかけられたのだと疑った。しかし俺だけに視線が向いているように感じる。
なんでだろうと首を傾げかけた俺に霊城が言う。
「君が全教科満点で入学したって聞いてね。少し話して見たくなったんだ」
そんな理由か。特に面白くもなかったな。
「俺はアレックスだ。よろしく」
一応自己紹介を返す。
その後にアイリスとララスも続く。
もしかしたら、レイナとサラシャがアイリス達の友達になるのかもしれん。気の強そうな女の子は少し苦手なのだが。
レイナの家名。シャインガードは、俺とアイリスの実家であるシャイン家に連なっている家なのだ。だからここであったのもなにかの縁かもしれん。
しかしこいつらはみんな、なかなか強い。霊城以外はこの年齢にしてはかなり強い程度だが、霊城はそこらの大人よりも強いどころか、冒険者のトップクラス並だ。
しかし、霊城蓮司という名前。まるで日本の名前だ。この世界にも日本風な所でもあるのかね。寿司食いたい。俺はわさびが好きなのだ。醤油も好き。わさび醤油なんか最高。必ずと言ってもいいほど腹を壊したが。
しかし霊城。こいつは危険な気がする。力は圧倒的に俺に劣っているのにだ。
そしてラナト。こいつとは一生仲良くできないだろう。なんだかそんな気がする。
しかしこいつらに囲まれているままだというのは落ち着かない。適当にお話してお帰り願おう。
「シャインガード様は貴族なのですね。霊城様も苗字があるようですが貴族なのですか?」
俺の気持ちを察したのかアイリスが問う。
「ええそうよ。レイナって呼んでくれると嬉しいわ。様付けもいらない」
「ならばレイナ。改めてよろしくお願いします」
「ええ。こちらこそ」
「僕は貴族じゃないよ。内界の端の島から来たんだ」
「へー。そうなんですか」
アイリスが相槌を打つ。
大陸には四つづつの国しかない。そして大陸の周りの島々はそれぞれが一つの国だ。国の大きさが違う為、内界全体での発言権は弱いが、外界に近いところというだけあって強い人が多い。
だから霊城も強いのかもな。
そこまでで教師が来る。今日もいい合法ロリ感だ。ちなみにカレン先生は座学も実技も担当するのだと。このクラスのすべての授業を受け持つらしい。昨日言ってた。人は見かけによらないな。
霊城達は自分たちの席に戻ったようだ。見ると俺達のちょうど対角線の辺りに固まっているようだ。遠いのによく来る気になるな。
「なあ、あいつらどう思う?」
「あいつらって、霊城君達のことですか?」
「ああ」
「いい人達だと思います」
「私もそうです」
「そうか。男には気をつけろよ」
「ええ、わかってます」
アイリスとララスは苦笑気味に声を揃える。俺は友達を作らせに来たのだ。彼氏を作らせにではない。
しかし授業はつまらなさそうだな。流石に一日目からサボることはしないが、眠ってしまいそうだ。授業中に寝るのもサボるのとあんまり変わらない気もするが、気にしない。椅子の背もたれに体重を預ける。
こんなに人の多いところでは気配が気になって寝るに寝られない。どうせこんな所で襲ってくるような奴はいないだろう。殺気には反応できるようにしとこうか。他は気にならなくする。でも殺気で目が覚めるのは嫌だから、オートで俺に害するものを無効化しよう。しかし相手が襲う気がないのに誤って害そうとしてしまった場合を考えて、俺に危害を加えようとした者ではなく物を無効化しよう。例えば誰かが俺にナイフを刺そうとした場合、俺は刺そうとした人でなく、ナイフを潰す。
少し考えすぎかもしれないが、ここで人を殺したらもう学校に行くことはできないだろう。そうしたら皆に申し訳が立たない。やりすぎなくらいで丁度いい。なんで授業中に居眠りするだけでここまで考えなきゃいけないんだ。
「お兄様。お昼ですよ」
天使の声。そうか、俺は死んだのか。
例え気配を察知する機能を切っていようが、アイリスの声には反応してしまう。俺起床。
「おはよう。アレックス」
「ずいぶんぐっすりだったな」
霊城とラナトが苦笑気味で俺に言う。なんでお前らがいるんだよ。目で説明を求める。
「どうせならあなた達と一緒にお昼ご飯を食べようと思ったのよ」
答えたのはレイナ。サラシャもいるようだ。
てかもうお昼ご飯の時間なのか。本当にぐっすり寝てたみたいだ。
「お兄様凄かったんですよ。カレン先生がいくら注意しても目が覚めず、痺れを切らしたカレン先生が投げるチョークを粉にし、最終手段としてげんこつをしたカレン先生は手を痛めて泣き出してしまったのです。その後は自習」
さすが俺。
しかし素手での攻撃については何も考えてなかった。不覚。
「さっきから気にはなっていたんだが、お兄様ってのはなんだ?」
ラナトに問われる。
「私とお兄様は双子の兄妹なんです」
「へー」
各々驚きやらの声を出す。そのままがやがやと盛り上がりだす。
いや、お昼ご飯を食べようぜ?お腹空いた。




