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ワンパン

 国王選定戦開会式。参加者は、五つに別れてそれぞれ並んでいる。最初はそれぞれのグループでのバトルロイヤルだ。残った一人または二人が次に進める。一つの会場しかないので、順番にやっていく。俺は最後のグループだ。


 唯一の人間の為、ものすごく周りから見られている。



 「皆のもの。今日という日を楽しむがいい」


 国王の挨拶。皆、ブーイングこそ起こさないが、この豚のことは嫌いなようで拍手もしない。


 正直こんなのすぐ終わる。俺に勝てる人なぞ存在しない。


 開会式は終わったし、もういいだろう。俺の試合は五日後だ。




 俺の試合の日が来た。合計六人が次に進んだらしい。さっさと終わらせる。俺の幼女達の制服姿が見たい。


 「まもなく予選の五回戦目が始まります。今回注目されている選手は、唯一の人間であるアレックス選手。彼はどこまでやれるのでしょうか」

 

 お。俺のことだ。


 期待に応えよう。誰もしていないだろうが。


 「それでは、スタート!」


 「死ね、人間!」


 隣にいた人が、俺に向けて蹴りを放つ。それを掴んで振り回す。この獣人のおっさんを武器にして予選は勝ち上がります。振り回すだけでは、そこまで遠くを狙えないので、たまに投げたりしていたら、いつの間にか立っているのは俺だけになった。


 唖然としている観客を尻目に、屋敷へ戻る。みんなが待っているのだ。応援に来ると言ってくれていたが、断ったのだ。正直応援のいるような試合ではない。みんなを退屈にさせるわけにも行かないし。


 てこてこ歩いていると、大会の運営らしき人に、試合の日程を伝えられる。しっかりと覚える。明日、明後日、明明後日はほかの人の試合だ。一日一試合。俺はシード。


 しばらくまた暇だ。まあ、我が家に幼女がいる限り暇などいくらでも潰せるが。


 






 結果?もう優勝したよ。戦闘シーンなんていらない。全てワンパンだ。優勝したら、国王の部下の中で一番強い人と戦えて、それに勝つと国王になれるのだが、それにも楽勝。負ける要素がない。




 「新国王のエラフォットです。私の国王としての最初の仕事は、国王選定戦の廃止です」


 何故ほかの国王はこれに気づかなかったのだろうか。国王選定戦がなければ自分がずっと国王をしていられるというのに。みんな脳筋だったのだろうか。何はともあれ、これで約束は果たした。俺は早く学園に行くのだ。



 「エリー。お疲れ様。またいつか会おうそれじゃ」


 「何急いでんのよ。どこに行くの?」


 「人間の国で最大の学園だ」


 「へー。学園ねぇ」


 「そういうわけだ。急いでますので!」


 「はいはい。またいつか会いましょう」


 


 俺の行こうとしている学園。それは平民も貴族も通えるところだ。授業は、入学試験に合格し、最低限の授業料を払えば受けられる。さらに金を積むことで、放課後に練習場を使えたり、訓練設備を使えたりする。少しお金を稼ぎながら行こう。わざと魔物が多い所を通ったりして。



 学園は、尋常じゃなく大きい所で、街一つが全て学園のものだ。学園を城とした時の城下町的な。学生だと割引とかできたりするらしい。王都からほど近いためか、結構人も多い。


 学園に入学できるのは七歳から二十二歳だ。七歳から十五歳は、基礎的な知識や簡単な戦闘技術を学ぶ。十五歳から二十歳は冒険者として必要になる知識や、より高度な戦闘技術を学ぶ。ただ冒険者になりたいだけの人はここでやめる。騎士などの国に仕える者になりたい時は、二十歳から二年間の間礼儀作法やマナーを学ぶ。


 それぞれ、初等部、中等部、高等部と呼ばれる。俺、アイリス、ララスが中等部。残りが初等部かな。


 ちなみに、十五歳だけど基礎知識が一切ない人なんかは入学試験で落とされる。七歳から二十二歳であればいつでも入学することはできるが、基本的には七歳から通わせる。その方が楽だから。七歳からであれば基礎知識がなかろうが問題にはならない。これから学ぶのだから。


 まあ、俺らには関係の無い話だ。みんな本とか読んでいるし。最低でも中等部卒業程度の学力はある。


 制服楽しみ。


 俺は人間の国へ向かう。

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