トランプ
「で、どうかな」
「もちろん大丈夫だよ。言っただろ、君は何をしたっていい」
「ありがとう。アリスも良かったら一緒に」
「ああ、機会があれば呼んでくれ」
エリーが変態だった日の夜。少し寝てからいつも通りアリスちゃんに会いに来た。
アリスちゃんにゲームやらブルーレイやらを頼んだら、悩むこともなく許してくれた。もう大好き。
これでだいぶ暇つぶしが出来る。本だけでは飽きてしまうのだ。
その後も軽く話をして、俺は屋敷に戻る。最後にもう一回礼を言い、『転移』する。
もう少し寝よう。
朝。イリアに起こされ、食堂に行く。今日も一番最後だ。俺はいつも最後に起こされているのかな。
「お、おはよう」
「ああ、おはよう」
エリーに挨拶を返す。変態だったことは黙って置いてやろう。っていうか変態というより、耳年増とかの方が的確かも知れない。
「エリー。昨晩のことは覚えているか」
「えっ!?あああのことは無かったことにしてよッ」
「そっちじゃない。今後の話の方だ」
「え?ああ、そうね。覚えているわ。貴方に任せるわね」
「おう」
ともかく、国王選定戦までは暇だ。今のうちにゲーム、アニメ用の部屋でもつくっておこう。
その後、ご飯を食べ、適当な空き部屋を拡張し、特大テレビを設置する。まじ『何でもできる力』便利。何でもできるんだろうけど、ブルーレイとかは地球産の方がいいよね。なんとなく。
あとはトランプか。トランプは適当に考えたとでも言っておけばいいだろう。エリー、ドナート以外には後で本当のことを教えるが。
「おーい。カードゲームやろうぜー」
暇そうにしていた、アイリス、エリル、エリー、クラウ、ミリ、サリー、マリアを呼ぶ。
ぞろぞろと集まってきたみんなに、ババ抜きのやり方を教える。そしたらとにかくやってみよう、ということになった。
結果はマリアが一位。表情が余り変わらなくて怖かった。笑顔って怖い。
ちなみにビリはエリー。顔に出過ぎ。
今のは練習。次の本番で一位の人には俺が願いを叶える。俺が一位の場合、このゲームに参加した誰かにお願いを聞いてもらう。つまり俺が一位になれば、幼女に合法的なイタズラが出来る。楽しみ。
結果一位クラウ。ビリはサリー。
「さあクラウ。願いを言え」
「ご主人様……。本来ならばこんなことを頼むべきではないでしょう。しかし!私はこの気持ちを抑えられませんッ。どうか、どうかご主人様の肉を食べさせてください!それがダメならせめて血をください!飲みますから!それすらもダメなら抱いてください!!」
よし。抱けばいいのね。寝室へ行こう。と冗談は置いといて、肉をあげるくらいなら朝飯前だ。
「わかった。俺の足の肉をやろう」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。というか食べたことあるぞ」
「え?」
「たまに凄い美味しい肉があったろう。あれは俺の肉だ」
少し自慢げにいう。
「そんな。それならばご主人様は既に私の中に居たのですか!?」
「え?そ、そうなんじゃない?」
「ならば他のことを頼んでもいいですか?」
「ああ」
「やっぱり抱いてください!!」
「わかった。今からでいいな」
「えっ?は、はい」
「おいで」
「はい……」
そうやって近づいてきたクラウを抱きしめる。
「はい。抱いた」
抱くという言葉はややこしいね。
「えっ?えっ?」
「残念でしたねクラウ。お兄様に騙されたようです。でもちょっと羨ましいです」
アイリスが言う。
「もう一回やりましょう。私もご主人様に抱いて貰う!」
サリーの言葉。幼女ならばいつでも抱きしめるのに。
「俺の肉は夕食にだそう」
エリーは俺の肉云々が理解できなかったようで首を傾げている。思ったより、みんな俺の肉を食ったことに嫌悪感がなさそうでよかった。俺はみんなを信じていたよ!
「よし。もう一回だ」
そう言って、本番二回戦目を開始する。
結果は俺が一位。ビリがエリル。
ふふふ。俺の時代だ。
「エリル。お前は今日抱き枕の刑だ」
「な、なんじゃってー」
可愛い。
俺はいつもアイリスと寝ているが、アイリスには触れていない。触れるとイケナイ関係になってしまう可能性があるからだ。しかしエリルならばどうだ。確かエリルは結構な歳だ。その、俺より年上の女性に手を出して何の問題があろうか。まあ、極力手は出さんが。
「しょうがないの。そういう決まりじゃしな」
「そう、しょうがない。我慢して受け入れろ」
「お兄様ッ!私を抱き枕にすればよろしいではないですか!」
「いや、万が一間違いがあったらどうすんだよ。その点エリルならばなんかあっても大丈夫だろう」
「私はお兄様とでしたら間違いがあっても構いませんのに……」
「え?なんだって」
「な、何でもないですっ」
あぶねー。あまりの可愛さに興奮して襲いかかる所だった。なんとか聞こえないふりで誤魔化したが。
さて、こんなもんかね。中庭で俺の肉を削いだりしなきゃいけないから、今日のトランプは終わりだ。
今晩は楽しみだ。エリル枕。




