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隠れM

 「ご主人様ぁ。夕食の時間ですよ」


 マリアの声で部屋から出る。


 食堂に着くとみんな揃っていた。待たせてしまったようなので軽く礼を言い、食事を始める。


 「エリー。みんなに説明してくれるか」


 「わかったわ」


 そうして説明を始める。食べ終わる頃にはエリーに私的な質問をしたり、と雑談を始めていた。仲良くできそうで良かった。


 「ところでエリーさん」


 アイリスが呼びかける。


 「何かしら?」


 「お兄様に手を出したら殺しますから」


 ニッコリと可愛い笑顔を浮かべるアイリス。


 「え、ええ」


 エリーがちょっと引いてる。アイリスはお兄様の心配を出来るいい子です。


 「こら、アイリス。どこでそんな言葉を覚えたの。野蛮よ」


 「お兄様のオネエ言葉が気持ち悪いことは置いといて、お兄様が殺すと連呼するので覚えたのです」


 俺か。でも殺す、とよく言っているのに豚が初体験ってことは俺ってすごく優しいんじゃない。もしくは腰抜け。


 余は満足じゃ。食事を終えよう。俺はそんなに食べなくても生活に支障はないのだ。出された分だけ食べる。


 「ご馳走様」


 そう言って、風呂に入った後、書斎から本を持ってきて居間で読む。すると今日はオフらしいクラウも本を取ってきて俺の膝の上に乗る。


 我が屋敷の住人はみんな俺の膝の上に乗ることを躊躇わない。俺の膝の上は無法地帯のようで、奴隷達はアイリスにも譲らない。早い者勝ちらしい。それは例え主の妹でも譲れないのだそうだ。


 アイリス様はご主人様と一緒に寝ているのだから、膝の上位は譲ってください。というのは奴隷達の言葉。アイリスはこの言葉を受け、たまにしか乗ろうとしない。奴隷達は一定の時間で交代するようだ。

 ちなみにエリルはあまり膝の上に乗ることはない。どちらかというと頭を撫でられる方が好きらしい。


 「楽しい?」


 「はい。ご主人様の温もり、香り、脈拍、力強さ、その他諸々が伝わって来るので」


 「そんなもんかねぇ」


 まあ、幼女組は可愛いしいいか。


 そうそう、ララスさんは流石に遠慮してくれている。ララスさんは美人だけど俺の趣味じゃないからね。


 クラウと話したりしながら本を読んでいると続々と住人が集結してきた。そして俺の上にいるクラウを見て悔しそうな顔をする。一番最初が一番良いのだと。


 アイリスに連れられエリーが入って来る。


 「ち、ちょっと!これはどういう状況よ!」


 「どういうって、幼女ハーレムだよ」


 「そんなさらっと……!」


 今の俺。膝の上にクラウ。右手側にエリル。左手側にラウラ。エリルとラウラの他にもソファーに乗れるだけの幼女がいる。右手でエリルを撫でながら、クラウとラウラと俺とで同じ本を読んでいる。読みづらい事この上ないが、周りに幼女しかいないと興奮する。


 しかし手は出さない。なぜなら俺は紳士だから。


 「へ、変態よ……。変態がいるわ……」


 「心外だな。俺は少し小さい子が好きなだけだ。そして好きな子を周りに侍らせて何が悪い」


 ドナートさんも頷いてるし正しいだろう。


 転生して良かった。妹はできるし、幼女に囲まれるし、いいこと尽くめだ。

 この世界での不満なんて暇つぶしが出来ないことくらいだ。テレビ位作っちゃおうかな。アリスちゃんに頼んでブルーレイディスクでも送ってもらおう。テレビ局がないので地上波もクソもないが、ブルーレイ位はセーフだろ。


 あと、ゲームも欲しいな。ダメ元だが、聞いて見よう。楽しみだ。


 そんなことを考えていたらもういい時間だ。寝よう。そうだ


 「エリー。寝る前に俺の部屋に来い。教えただろ」


 「なっ!?わ、わかったわよ……。言うこと聞く約束だものね……」


 約束無かったら部屋にすら来てくれないのかよ。ひどい。


 「そういうことでおやすみ」


 みんなに挨拶をしてアイリスと寝室へ向かう。


 エリーが来るまでアイリスとお話でもしてよう。

 そうだ!トランプくらいなら簡単に作れる。今度作って屋敷の皆と遊ぼう。超楽しみ。脱衣トランプとかいいかも。いや、やっぱダメだ。我慢できる気がしない。


 ノックの音。エリーが来たようだ。返事をし、入ってきてもらう。


 「き、来たわよ……」


 「おう。待ってたぜ」


 今はアイリスと話すので忙しい為、そっちを見ずにいう。しょうがないじゃないか。俺の中では幼女が優先なのだ。アイリスは幼女っていう歳ではないが。


 「な、なんでアイリスが居るのよ!まさかささささ3P!?は、初めてなのに!初めてなのに!!ああ、あんまりだわ。初体験が3Pなんて……。でもアレックスも顔は悪くないし、ま、まあいいかしらね。でっでもアレックスは変態だったわ!どんなアブノーマルなプレイされるか……。た、叩かれたりするのかしら……。溶けた蝋を垂らされたり……。どんなにきも、痛いのでしょう。きた、恐怖でいっぱいですわ。でも、私は匿って貰っている身。逆らうことはできませんわ」


 そう言って、唖然としている俺達の前を通りベッドの上に仰向けで横たわる。


 「さあ!来なさいっ!!」


 この子は何を言っているんだろうか。今気づいたけど何故かバスタオル一枚だ。何を考えているのでしょう。怖い。


 「何を考えていたらいたか知らんが、これからのことを話すぞ。とりあえず俺が国王選定戦で優勝する。後にお前が王となり、国を治める。その後の国王選定戦ついては、この板に魔力を流してくれれば俺がお前の元へ行く。その他何か困ったことがあればその板に魔力を流せ」


 今俺がやるべき事は、この屋敷からエリー達を追い出すことだ。俺が招き入れたのも事実だが、長居されても困るのもまた事実。ほとぼりが冷めるまで匿って置こうと思ったが、早く終わらせられるのならば、それに越したことは無い。


 恥辱からかプルプル震えているエリーを部屋に運び寝る。アイリスは今晩のことは無かった事にするようだ。懸命だろう。何はともあれ、目的も決まったし、おやすみ。

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