魔法
ここは魔法が一つの技術として認められている世界。
人々の生活に科学は必須であり、また魔法も同様な世界。
その世界のとある地方のとある研究所にて、また1人、真理に近づきつつある者が居た。
「博士!やりましたね!」
「ああ、そうだな」
博士と呼ばれたジョージは大きく頷く。
「遂に魔法を科学で証明できました!」
博士と呼んだクリスが、嬉しそうにはしゃぐ。
魔法を科学で証明する。
500年以上前からできると分かっているのに実現出来なかった難問だ。
それを、人が3人以上住むと窮屈になる程小さな研究所の若手が解いたのだ。
とても小さな研究所であるここだが、人員がとても優秀な為、この難問を解き明かせたのだ。
世界ランキング1位の大学を首席合格、卒業し、幼いころからコンピューターより早い計算能力と暗算能力を持つクリス。とてもこんな小さい研究所では役不足であるが、本人がここを希望して、今があった。
「ふう。横取りされんうちに公表するか」
「そうですね!」
クリスがキラキラとした目で勢い良く頷く。
「証明したのはクリスであり自分は再度計算して、ミスがない事をチェックしただけなのに……」そう思うジョージだが、表には決して出さなかった。
子供の様なクリスだからこそ出来た、と思っているからだ。
「急いで学院に行くぞ。準備せい」
「はい!」
足早に準備するクリス。
それを見てジョージも急いで準備を始めた。
因みに、学院とは世界で最も権威のある学問の研究、発表の場である。ここで間違った事を発表すれば、末代まで笑い者にされる、と言われるぐらい厳かな場所である。
5分で支度を済まし、学院へ車で向かう途中。それは遂に起こった。
「ねえ、博士」
「何だね、クリス」
運転するジョージに話し掛ける、後部座席に座るクリス。
「ふと思ったんですけど」
お母さんの様な口調で優しく促そうとするジョージ。
「なんだい、言ってごらん?」
「魔法とは、奇跡の技術と言われていました」
「そうだね」
「そして魔法は科学で証明できました」
「君がしたね。おめでとう」
「ありがとうございます。……それから、科学を証明できるのは魔法ではなく科学ですよね」
「……ああ、そうだね」
「それじゃあ科学こそ、奇跡の技術である魔法ですよね」
赤信号に捕まり車が急停車した。
スピードがあった為乗員のクリスは思いっきり前のめりになった。
「は、博士?」
「残念だ」
「え?どう」
カチャリという音を最後に、続きを言うことは永遠に無かった。
今、クリスの額には第3の目がある。
その目を覗きこめば紅い色が噴き出している。
第1、第2の目は虚ろに鈍く光り、いつまで経っても閉じる事は無かった。
「知らなくて幸せでは無く、知ってはならぬ事があるのだよ」
ジョージは独り呟くと、持っている熱を持った物を片付け、ユーターンして研究所へと帰って行った。
Thank You For Your Time !
有名な
「卓越した科学は魔法と変わらない」
by:Arthur Charles Clarke (アーサー・チャールズ・クラーク)
の言葉より考えました。
風呂に入ってる10分間の間に中3野郎が考えた物ですので、満足頂けたか分かりませんがお読み頂き、ありがとうございます。
お願い
僕はばりばりの大阪人です。大阪弁で喋ります。標準語を心がけていますが、もし分かりづらい語句や大阪弁が出ていたりしていたらご報告して頂きますと、大変嬉しです。
その他ご意見ご感想、誤字脱字等の誤りの報告を、心よりお待ちしております。
ここからは飛ばしてもらっても大丈夫です。長くなりますので。
自分なりの解釈ではこの世界の魔法が僕達の科学であり、科学は魔法なんです。
つまり、魔法は科学で証明でき、科学は科学のみで証明出来るなら、魔法の本質は分かっても科学の本質は分からないままという事なんです。科学を証明するのは結局科学であり、その証明に用いた科学を証明するのも科学であり、ならば科学とは一体なんなのか。
物理学的に言えば、人間はタンパク質からできていて、タンパク質は分子からできて、分子は原子、原子は素粒子、なら結局人間は何からできているのか?という感じです。
根本的に違う感じなんです。ならば科学とは技術的な意味ではない方の魔法、と言っても差し支えないだろうと思います。
ちなみに今の僕達の科学も魔法だと、僕は思います。
こんな感じでしょうか。中途半端ですね。分かりづらくてすみません。
自分の文章力が無くて申し訳ないです。
最後までご精読頂きありがとうございました。